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触れる・触れられる〜大切にされていると感じるとき
15年ほど前、少しの間だけですが、お茶のお稽古をしたことがあります。
ゲストハウスの運営について仕事の仲間とあれこれと話し合っていく中で、「おもてなし」の心について学んでみたいと思ったのがきっかけでした。お作法というよりは、どんな心でお迎えし、接すればいいのかを探究したい、ということで知人にご紹介いただいて、お茶の先生の元へ通うことになりました。
水屋での準備、お茶碗の扱い方、畳の歩き方、その全てが、客人を大切に思う心から作法として洗練されていることに深く感動しました。
お茶は「道」です、と先生がおっしゃいました。ゴールがあるのではなく、その道をひたすら辿りながら、稽古を続けていくということでしょうか。
「ゆったりセラピー」と名付けられた、からだをケアする技法を知ったとき、お茶の道と通じるものを感じました。
こんなに大切にされて、触れられる、という体験は初めてのことだったのです。
それは、自分自身を大切にしてこなかったからかもしれません。そんなに大切に扱われるに値するようなからだだと思ってなかったことに気づきました。
ゆったりセラピーの技法では、ゆっくりと全身をつなげていくような動きと、筋肉や腱まで深く届くように寄りかかって触れていくことが大きな特徴です。
🔹触れることと無意識領域
固有感覚(筋肉や腱で捉えられる感覚、深部感覚)に至っては、自分の身体を常にモニターしているわけで、まさに「自己を知る感覚」そのものです。
触れ方の質が、触れられた人の自己認知を決定づけます。ゆっくりとした触れ方、ロングストロークのような連続的でつながった触れ方、筋肉や腱まで届く深い触れ方、そういう触れ方の質により、クライアントは「自分は重要な存在であり、愛されている存在」と感じることができます。
また、そういった触れ方の質により、「自分自身は統合された、つながった存在」だと感じ、「快」が生じるのです。加えて、固有感覚を十分に刺激するような深い触れ方も必要です。
そのような触れ方をするためにも、まずは自分自身を大切にするセルフ・コンパッションで内面をととのえて、セッションができるようにしていくこと。
そのような道を歩むことを心がけたいと思います。