子どもの誇りとなる支援活動に向けて
どうして人間は過度な運動をすると肉離れをするのに、ライオンやチーターはいきなり走り出しても肉離れしないのか、不思議でしかたないです。
こんにちは。ひろあきです。
全国の飲食店による子ども食堂プロジェクト『夢食堂』の運営をしています。
今日は、「子どもの貧困問題の不可視性」というテーマで話を進めていきます。子どもの貧困問題の大きな特徴の一つでもある内容なので、よろしければ覚えておいてもらえたら嬉しいです。
暮らしの実態は把握しづらい
子どもの貧困問題は、その実態が見えづらい問題として知られています。子ども全員の世帯年収は基本的に把握できないですし、最近では見た目で明らかに貧困と断定できる子どもは多くありません。仮に実際には、貧困家庭と位置付けられる暮らしをしていたとしても、ある程度の身なりをみんなしています。
また、我が国における「貧困」という言葉がもたらす劣等感なども、子どもの貧困問題を見えづらくしている要因の一つであると考えられています。
当たり前ですが、貧困家庭の子どもは自らの境遇を隠しながら暮らしています。学校でもちろんそうでしょうし、仮に大人が救いの手を差し伸べようとしたところで、無条件にその手を取ったりはしません。
現在は全国に約5000カ所あると言われている子ども食堂も、その多くは貧困の子どもかどうかに関わらず、全ての子どもを受け入れて活動をしていらっしゃいます。これは、足を運ぶ子ども達の心理的ハードルを下げるためのものです。
また、中には貧困家庭の子どもだけを対象にした取り組みも行われているようですが、こちらの取り組みでは基本的に世間には知られない形で運営をしているようです。
会員制度をとって、その会員限定で子ども食堂を実施していたりするようですね。この形をとれば、そこに足を運んだ子どもが世間に認知されず、「貧困」というレッテルを貼られる心配もありません。
夢食堂として
夢食堂では、多くの子ども食堂の例にもれず、子どもを区別せずみんな受け入れる体制を整えています。
それでも、やはり現場の飲食店さんとしては「本当に困っている子ども、助けを必要としている家庭」のために支援がしたい。
この想いは至極まっとうなものだと思いますし、その想いがあるからこそ、夢食堂に参加してくださっているのだと思います。ここは、我々本部としても同じ気持ちなんですね。
最終的には、困っている子どもにご飯と居場所を届けられてこその取り組みだと思っています。なかなか、この取り組みによってどのくらいの貧困世帯が救われたのか、といった定量的な成果指標をつくるのは、倫理的な問題上難しいですが、やはり目的はここですよね。
しかし、夢チケットの導入をスタートさせたとしても、子どもがすぐに来ることはあまりありません。しばらくは子どもが来ない日々が続くのが一般的です。また、子どもが来たとしても、その子が本当に困っている層ではなさそうな事が多いです。
そういった点では、なかなか当初の思い取りに、自分が社会に貢献している気持ちが満たされていかないかもしれません。スタッフさんの中には、不安や懸念を抱える人も出てくるかもしれません。
ただ、ずっと活動を続けて、しっかりと子どもに夢食堂の認知が広がっていれば、いずれ本当に届けたい子どもにも届くようになると思います。
それまで、大事なのは継続する事。持続可能な取り組みをしていく事です。
夢食堂が誇りと言われるように
アメリカでは、貧困からくる教育格差の対策として、ヘッドスタートという国家施策が行われています。もう約50年も行われいる取り組みで、毎年莫大な予算が当てられるほど大きな施策です。
ヘッドスタートは、貧困層の子どもを対象に行われる教育支援で、受けられるのは貧困家庭の子どもだけ、裏を返せば、これを受ける事は自分が貧困だということを認めているのと同義になると言えます。
しかし、聞いた話では、ヘッドスタートを受けた子どもは実に誇らしくそれを語るのだと言います。「自分はヘッドスタートを受けられた事が誇りである」というように。
夢食堂も、そうでありたいなと思っています。未来の子ども達が、「夢食堂を利用して育った事が自分の誇り」と言ってくれるようになったら最高です。これからも日々取り組んでまいります。
【追伸】
■夢食堂ではいつでもご寄付をお待ちしております。
寄付額は100円から選んで下さい。
頂いたお金は夢食堂の運営費として、子ども達の笑顔を1ミリでも増やすために使用させて頂きます。
たまにお金の使い道についても発信しているので気になる方はそちらもチェックしてみてください。
■11.18には『夢食堂サミット2021』が行われます。
夢食堂オーナーが自らの生い立ちや経験などから、なぜ夢食堂をやるのか、熱い思いをプレゼンにして発表します。
さらに、豪華ゲストを呼んで大嶋啓介さんが対談を行い、『子どもの未来を考える』をテーマにディスカッションをしていきます。
無料で参加することができるオンラインイベントです。
是非遊びに来てください。
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