知っておきたい!子ども食堂の限界
こんにちは。ひろあきです。
全国の飲食店による子ども食堂のプロジェクト『夢食堂』の運営をしています。
さてさて、今日は「子ども食堂の限界」という、子ども食堂に取り組んでいる身としては随分と悲観的なテーマでお届けしようかなと思います。
とはいっても、個人的にはめちゃめちゃ大事なところだと捉えていて、これを抑えていないと、「子どもにご飯を食べさせていれば問題が解決されるんだ」という乱暴な自己満足に陥ってしまう危険性があります。
ぜひ、子ども食堂に関心のある人こそ、きちんと見つめる必要があるお話ですので、覚えておいてもらえたら嬉しいです。#ちょっと上から目線 #お前が偉そうにするな
子どもの貧困問題の本質
まずは、子どもの貧困問題の本質のお話です。本質、というよりは、直接的原因はなにか、という事ですね。
どうして子どもの貧困が起こるのかというと、答えは親の貧困が原因です。
理屈的にはとても簡単な話で、子どもの貧困問題を解決するためには親の貧困を解決する必要があります。
具体的には、親の金銭的欠如を解消することですね。
日本においては「相対的貧困」といって、その国での標準的な暮らしと比較して著しくお金がない状態のことを、貧困と呼びます。ですので、日本の貧困問題とは、日本で生活しているなら当たり前に得られるはずのことが、お金がないという理由で欠如している人たちの割合が多すぎる問題を指しています。
既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、親の金銭的欠如を解消するためには、シンプルに直接的な金銭の支援を親にするか、親が稼げるように訓練してあげるか、親が稼げる社会構造を整えてあげるか、といった所の議論になると思います。
子ども食堂の限界
子ども食堂に取り組んでおいて、自分たちの活動の限界を盛大に語るのもアレですが、子ども食堂には2つほど、大きな課題があります。
一つは、貧困問題の解決においては限定的な効力しか見込めないということです。#ちょっと固い表現を使ってみました
先ほど述べたように、子どもの貧困を引き起こす原因は、親が貧困であるということです。それを解決するためには、親にお金が回るように仕向ける必要があります。
それに対して子ども食堂は、子どもに食事と居場所を提供する取り組みですから、ここから親のお金が生み出されるような仕組みではありません。
つまり、子ども食堂がどんなに増えたとしても、子どもの貧困問題そのものの解決には、なかなか向かっていかないというのが現実です。
ここを履き違えてしまう人は、意外と結構いるんじゃないかと思っています。特に当事者として取り組んでいると、子ども食堂をやっているのと子どもの貧困問題の解決に取り組んでいるのを、ごちゃ混ぜに解釈してしまうパターンもあります。気持ちは分かりますが、それだけでは問題解決には向かっていかないので、注意が必要ですね。
大人のエゴを押し付けてはいけない
子ども食堂がもつ課題のもう一つとして、大人のエゴを押し付けないように注意する必要性が挙げられます。
たとえば、「子ども食堂で提供される食事は地域の大人の手作りであるべし」みたいな空気感がその代表例です。
本来であれば、子どもにご飯と居場所を提供することが大切なのであって、それが手作りだろうが賞味期限の迫ったコンビニ弁当だろうが、どっちでもいいはずなんです。
それでも、賞味期限ギリギリのものや、農家で廃棄処分されるはずだった余り物を提供すると「けしからん!」となる人も中にはいます。別に品質の良いものや手間のかかったものを提供するのは、それぞれの活動の自由だとは思いますが、それはあくまで大人がやりたいだけの話であるという事は、自覚して然るべきだと思っています。
別に賞味期限ギリギリのものを出したところで、「賞味期限内」なので問題ではありませんし、むしろフードロス問題の深刻さが叫ばれる今日においては、それを困っている子どもに届けるのは非常にサスティナブルで良い取り組みだと思います。#無理やり流行語ぶち込んでみました
子ども食堂の意義
ここまで子ども食堂の取り組みの限界や課題をつらつらの並べてしまいましたが、「じゃぁ子ども食堂は意味ないのか」という声がちらほら聞こえてきそうですね。
僕たちが考えているのは、もちろん「意味ある」です。
答えはシンプルになりますが、子ども食堂で貧困問題の解決ができなかったとしても、困っている子どもの助けにはなります。
お腹を空かせている子、毎日一人で孤独感を感じている子、劣等感を感じていたり、自信をもてずにいる子、心身の発達に影響が出ている子、または毎日必死に働くお母さんやお父さん、など、困っている人たちはたくさんいるわけで、中には本当に苦しんでいる人もたくさんいるわけです。
子ども食堂は、そのような社会の歪みから生まれた「痛み」を緩和してあげたり、それによる被害の重症化を防ぐための予防になったりする取り組みです。
だから夢食堂は、胸を張って堂々と活動を続けますし、「そんなことやって意味あるのか!」と熱烈な批判を頂いたとしても、揺らぐことなく進んでまいります。
ということで、今日もありがとうございました〜!
【追伸】
■夢食堂ではいつでもご寄付をお待ちしております。
寄付額は100円から選んで下さい。
頂いたお金は夢食堂の運営費として、子ども達の笑顔を1ミリでも増やすために使用させて頂きます。
たまにお金の使い道についても発信しているので気になる方はそちらもチェックしてみてください。
■11.18には『夢食堂サミット2021』が行われます。
夢食堂オーナーが自らの生い立ちや経験などから、なぜ夢食堂をやるのか、熱い思いをプレゼンにして発表します。
さらに、豪華ゲストを呼んで大嶋啓介さんが対談を行い、『子どもの未来を考える』をテーマにディスカッションをしていきます。
無料で参加することができるオンラインイベントです。
是非遊びに来てください。
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