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貧困の正体

#画像は北海道札幌市のシハチ鮮魚店で使用されている夢チケットです

夢食堂の仕事もどんどん複雑化していき、チーム内で使用しているコミュニケーションツールやシステムなんかも見直さないといけない段階になってきました。

こんにちは。ひろあきです。

全国の飲食店による子ども食堂のプロジェクト『夢食堂』の運営をしています。

今日は、「貧困の正体」というテーマで、お話をします。

我々夢食堂も、始まったきっかけは、日本における子どもの貧困問題が深刻であるという事実からでした。今では子どもの貧困への対応だけが夢食堂の意義ではなくなっていますが、やはり貧困問題は活動の中心にあるものの一つに変わりはないので、しっかりこの辺りでアウトプットしておこうと思います。


貧困とはなにか


貧困の定義は、実は唯一無二のものがあるわけではありません。貧困問題を取り扱った論文をはじめとした文献は、近年ではものすごい勢いで急増しているのですが、やはり貧困の定義についての統一感はまだまだ感じられないです。

とはいえ、日本における貧困問題がそれだけ多くの研究テーマとして扱われているということは、世間の貧困問題に対する注目度の高まりとも受け取れますね。#国家最大の敵は貧困であるとどこかの王様が言っていました。

よく、「貧困とはなんでしょうか?」と質問すると、「貧しくて困っていること」という答えが大体返ってきます。

間違いではないですよね。むしろ大正解ですよね。貧しくて困っていると書いて貧困なのですから。ただ、欲を言えばもう少し貧困という概念をより鮮明に捉えた解釈をしていきたいなと。#伸び代

結論を言います。

貧困とは、「剥奪」です。

もう少し詳しくいうと、「潜在能力を発揮する権利の剥奪」と言った方がわかりやすいでしょうか。すなわち、本来であれば享受されて然るべき権利だったり機会だったりが、お金がないことが原因で奪われてしまっている状態ですね。

たとえば、日本であればご飯を食べたり洋服を着たり、学校が終われば友達と遊んだり習い事に通ったり………という事は、子どもの成長過程においていわゆる「当たり前」になっていますよね。しかし、金銭的な原因でこれらが叶わなくなると、要は強制的にこれらの権利や機会を奪われていることになります。やりたい事があってできない、というやつですね。


日本における相対的貧困


途上国支援などをされた経験のある方は、子どもがゴミ山で働いていたり、道ゆく人々に物乞いををしていたりしている姿を何度も見た事があるのではないでしょうか。

このレベルでの貧しさは、「絶対的貧困」という部類に入ります。そもそも生きていく上で必要なものが欠如している状態です。

一方で、日本における貧困問題は、「相対的貧困」というものに裏付けがあります。これは、「貧困」という言葉からよく連想される、ご飯も着るものも寝る場所もなく、路頭をさまよっているような状態とは別のものです。

「相対的」に貧困ということは、「その国の標準的な生活水準と比べて」、金銭的に不足が見受けられる場合を指します。

日本では、一人当たりの年収が約127万円以下になると、相対的貧困ということになります。これはあくまで一人当たりの数字なので、たとえば親子2人の家庭では、世帯年収が約177万円以下になると相対的貧困に位置付けられます。このように、世帯の人数によって貧困ラインは変わってくるのですが、いずれにせよ日本で生活する上でかなり苦しい数字という事はご理解いただけたのではないでしょうか?

この水準以下で過ごしている子どもが、およそ七人に一人の割合で日本にいるといわれています。コロナ禍においては、その割合もさらに増えているかもしれません。


子どもの貧困の原因はなにか


子どもの貧困という言葉がどんどん取り沙汰されていますが、その直接的な原因はなんなのでしょうか?ここを抑えられていないと、問題の解決はできません。問題の本質に関わる部分です。

これも結論から。

子どもの貧困の直接的原因は、親の貧困です。

子どもの貧困を解決しようと思ったら、親の貧困を解決しないといけません。その為には、シンプルに親がお金で困らない状況をつくることが大切なのですが、直接金銭的な援助をしたり、親が稼げるように職業訓練をしたり、そもそもの社会的構造の見直しをする必要があります。

もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、親の貧困を解決するにあたっては、子ども食堂が果たす役割は決して大きくありません。子ども食堂を延々と続けていても、問題解決まで至るには難しい側面があります。

言いたい事は、子ども食堂には子ども食堂の役割があるという事です。それは、「ご飯」と「居場所」を提供する事が主軸だと思います。

夢食堂においても同じです。ご飯と居場所を、当たり前に毎日提供していく事が役割なのだと認識しています。

今日もありがとうございました〜


【追伸】

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■11.18には『夢食堂サミット2021』が行われます。
夢食堂オーナーが自らの生い立ちや経験などから、なぜ夢食堂をやるのか、熱い思いをプレゼンにして発表します。
さらに、豪華ゲストを呼んで大嶋啓介さんが対談を行い、『子どもの未来を考える』をテーマにディスカッションをしていきます。
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