水産DXストーリー #6 商品コメント自動付与機能で食の安全とサービスの信頼確保につなげた話
こんにちは! フーディソン エンジニアチームのtaka (@terumapy) です。今回は、フーディソンが運営するECサイト『魚ポチ』で採用している、商品の情報を漏れなくお客様にお伝えするための工夫について、少しご紹介できればと思います。
魚の情報を伝える難しさ
膨大な情報のバリエーション
魚を売るとき、お客様に伝えなければならない情報はたくさんあります。産地や旬、適した調理方法など、そのバリエーションも多岐にわたります。その中でも特に重要なものは、お客様の安全やサービス満足度に直接関わる、食品安全や品質に関する情報です。
日本で流通する魚の種類は非常に多く、その特徴も多様です。例えばタチウオやアイゴなど、歯やトゲが鋭く処理を誤ると怪我してしまうものがいます。また、漁法や魚の性質により、商品として本来は正常な状態なのに不良品とみなされてしまうものもあるでしょう。他にも、ホタルイカのように寄生虫のリスクがある魚種の一部については、加熱調理するよう注意を促す必要があります。
さらに、お客様に伝えなければいけない情報は魚種や漁法によるものだけではありません。時期によっては産卵によって身の品質が変わってしまう魚だっていますし、仕入れの仕方によっても商品の特徴が変わる場合があります。
ECサイトにおける売り方の特性
対面での販売ならば、お客様と顔をあわせたコミュニケーションを通じて商品を手に取り、直接情報をお伝えすることができます。しかし、フーディソンが運営している魚ポチのようなECサイトでは、このような直接的なコミュニケーションは難しく、取り扱う商品点数や魚種のバリエーションも対面販売と比較して格段に増加します。
このため、魚種や漁法、季節などの組み合わせ条件をもとに必要な情報を漏れなく伝えるという工夫が、食の安全と顧客満足を実現しながら水産物ECサービスを運営していくのに必要不可欠であるというわけです。
フーディソンのアプローチ
フーディソンでは、商品の特徴ごとに取扱いに関する注意コメントを自動付与する仕組みを自社で開発し、運用しています。
なお、ChatGPTやClaudeなどの生成系AIを活用して商品のデータからコメントを自動生成することも検討済ですが、AIが水産ドメインにおける正しい情報をまだ出力できるわけではないことや、コメントの付与条件を確実にコントロールしたいというニーズから、この仕組みにおいては採用しておりません。
商品情報を適切に構造化する
コメントを付与する条件を自動で判定するために、まず個々の魚のデータを構造化しています。ここでいう『構造化』とは、魚種や漁法、加工方法、保存温度帯などの商品に関する情報を、特定の形式やモデルに従って整理・整形することを指します。
水産物情報の構造化については以下の記事にまとめているので、こちらをぜひご覧ください。
蓄積した現場ノウハウをシステムで活用する
フーディソンには、食品流通・水産業界で活躍してきた人材が揃っており、商品やサービスに関する知見の蓄積が長く行われてきました。それを、前述の構造化されたデータをもとに条件化し、魚ポチのECでサイトに掲載する際に自動で商品コメントとして付与されるようになっています。
これにより、取扱いに関する情報を漏れなく大量の商品につけることができ、特性を理解しながら商品を選び、安全に調理した上で消費者の皆さんに提供することができるという仕組みを実現しています。システムで自動的に行っているため、商品点数やバリエーションがさらに増えても問題なく運用できる、スケーラブルな仕組みになっているというのも特徴です。
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