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【進捗レポート】「シン・ブルーオーシャンプロジェクト」in島根県海士町

こんにちは!フーディソン・PR担当です。
今回は「シン・ブルーオーシャンプロジェクト」で、10月15日~17日に島根県海士町(あまちょう)へ渡島したときの様子をレポートします!


シン・ブルーオーシャンプロジェクトとは

今年6月にスタートした「水産資源を守るために藻場を再生する」本プロジェクト。近年、海水温の上昇や食害などが原因で、全国的に磯焼けや海の砂漠化が進んでいます。これは水産資源の減少につながる問題で、海士町近海でも、海水温の上昇やガンガゼ(ウニの一種)の発生によって藻場が消え、水産資源が減少し続けています。「生鮮流通に新しい循環を」をビジョンに掲げる私たちは、このプロジェクトで磯焼けを解消し、海の中も含めた持続可能な循環を生み出したいと考えています。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000008191.html

どのように藻場を再生するのか

藻場の再生には、特許技術である人工礁「リーフボール藻礁」を活用。これは、株式会社朝日テックが日本で唯一製造するコンクリート製のブロックで、穴が空いていることにより波の影響を受けにくく海底に沈めると固定され、藻場の再生を促進します。さらにリーフボール藻礁には「フルボ酸鉄」が練り込まれており、植物の光合成を助ける工夫も。「フルボ酸鉄」は本来豊かな山から河川を経由し海に流れ込みますが、現在は様々な理由により海に十分なフルボ酸鉄が流れ込まなくなっています。この「リーフボール藻礁」を海に沈め藻場再生を目指します。

《渡島1日目》

いざ海士町へ

11:45 羽田空港から米子空港へ 1時間半ほどで米子空港に到着、あっという間の空の旅。
13:30 米子空港から七類港のフェリー乗り場へ 乗り場で「乗船名簿」を書いてチケットを購入。なんだか懐かしい気持ちになる切符です。
14:30 七類港から菱浦港へ 高速船・レインボージェットに乗り、海士町のある菱浦港へ。波は穏やかで船酔いもせず一安心(笑)海士町に到着するころにはすっかり夜に。1日目は移動で終わり、翌日に備えます。

《渡島2日目》

母藻となるか「クロメ」

藻場再生のための母藻※1(ぼそう)候補となったのは「クロメ」。海士町近海に生息していること、これから胞子を出す時期を迎えることが条件でした。まずは採取したクロメに子嚢斑※2(しのうはん)があるか目視で確認。通常子嚢斑は水ぶくれのように見えるようですが、採取したクロメは表面に凹凸があるため目視での確認が難しく、クロメのまわりの海水を顕微鏡で確認することに。残念ながら確認日には成熟が見られず子嚢斑が確認できなかったため、後日採苗を実施。これから冬場にかけてスモールサイズのリーフボール(約10キロ)に胞子が付着するかモニタリングを続けます。
※1 母藻:胞子を得るための成熟した海藻
※2 子嚢斑:胞子を作る組織。海藻の葉の表面にあり斑紋に見える。

「ないものはつくる!」食害防止カゴづくり

藻場の食害を防止するため鉄枠と木枠の2種類のカゴを用意。木枠タイプの枠組はマリンハビタット壱岐・田山さんが一人で作りました!枠の大きさに網を切り、結束バンドで固定していきます。Mサイズリーフボールに胞子が着床した後は、カゴにいれた状態で海に沈めモニタリングします。

移動中に遭遇

基本的に移動は山を通ることになる海士町。移動中には海士町の豊かな自然の中でのびのびと育つ「隠岐牛」に出会いました。手を伸ばせば届きそうなくらいすぐそこに!

いよいよミディアムサイズのリーフボール藻礁を沈設!

まずはトラックの荷台に載ったリーフボールをおろしますMサイズリーフボールはその重さなんと180キロ・・・!これを大人4人がかりで船の近くまで運びます。ロープをくくりつけ、そのロープを5人が綱引きのように引っ張りながら支え、リーフボールが割れないよう慎重にゆっくりと海へ落としていきます。リーフボールが海へ落下した瞬間、巻き起こる拍手と歓声!まさか人力で海まで運べるとは思いませんでした(笑)ここから船で沈設ポイント付近まで引っ張り、2人で潜りながらポイントへおろし沈設完了です。これから来年5月まで約半年かけ、リーフボール周辺に藻場ができるかをモニタリングしていきます。

《渡島3日目》

海士町をあとに

帰路に着く前に、AMAホールディングスさんの建設中新社屋を見学。なんと、3Dプリンターで加工したパーツをもとに社員のみなさんが組み立てをしているとのこと!私たちもほんの少しだけお手伝いさせていただきました。

9:50のフェリーに乗り、海士町をあとにしました。

あとがき:海士町へ行って思ったこと

今回初めて海士町へ行き豊かな自然に感動したのはもちろん、海士町のみなさんのバイタリティーにとても刺激を受けました!今ある課題を突破するエネルギー&パッションと、何よりも海士町が大好きな気持ちで満ち溢れていて、「なんて町だ海士町!」と嫉妬すら覚えました(笑)今後もこの「『ないものはない』海士町」で、水産資源を守り、海の中も含めた生鮮流通の循環をつくり出すための実証実験のゆくえを見守りながら、発信していきます。

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