珍しい魚を売る方法
はじめまして。サカナバッカ中目黒店長のokabeです。
自己紹介をしますと、小さいころから魚が好きで水産系の大学に進学後、鮮魚店で働きました。その後、水産冷凍商材の営業職や、市場バイヤー、鮮魚ECの出荷管理などを経験したのち2015年にサカナバッカ中目黒のオープンメンバーとしてフーディソンに入社しました。
サカナバッカは都内に9店舗あって、路面店ほか東京駅などのエキナカにも出店している魚屋です。今ではメディアなどにもちょこちょこ出させていただいております。
さて、タイトルの「珍しい魚を売る方法」についてですが、サカナバッカは今でこそ珍しい魚を扱う魚屋として認知はされてきましたが、オープンしてからすぐに珍しい魚がばんばん売れたわけではありません。むしろほとんどの魚が売れない状態からのスタートでした。
珍しい魚の売り方の前に魚屋の売り場がどうやって作られるかの説明を簡単にします。
売り場の作り方
商品によって異なるのですが、鮮魚(丸魚)が入荷すると、スーパーだと基本的には加工してお造りや柵などの商品を作り、ケースに並べ販売します。
加工品
仕入れ→小分け→値付け→陳列
鮮魚
仕入れ→丸魚のまま陳列(アジなどの大衆魚など)
仕入れ→柵やお造り、切り身にして陳列
サカナバッカでもお造りや柵の商品はありますが、オープン当初から産地直送の色とりどりの魚を仕入れて加工せずに丸のままアイスベット(魚を並べる氷の張った台)に陳列し販売することを大切にしています。
※一部は加工し販売することで売り場を埋めます。
私がアイスベットを並べるときに意識するのは、色合い、市場感、遠近感、雑多感などがあります。
ひとつずつ説明していくと
色合い
魚には色があります。水族館で見るときれいな魚だなとか思う方は多いかと思います。せっかくの綺麗な色の魚たちを目立たせるために同じ配色のものはなるべく近くに置かず、違う色同士のものを交互に並べることでよりその魚が際立って見えます。
市場感
市場に行った事がある方にはわかるかもしれませんが、1尾ずつ並べるよりも高く積み上げたり、同じ種類をたくさん並べたり、いろんな種類の魚があると市場感が出ます。
遠近感
遠近法で大きな魚は奥に、小さな魚は手前に置くことでより綺麗に見えます。
雑多感
市場感と少し似ていますが、いろんな種類の商品(魚介類や加工品など)を置くことで、お客様が宝探しをしているような気分になれる楽しい売り場をを演出します。
アイスベットは、サカナバッカのメインの売り場となるのでそこに力を入れることでお客様に楽しさを提供しています。
よくお客様が「水族館みたいだねぇ~」「市場みたいだね~」とかおっしゃってくれますが、最高の誉め言葉でとてもうれしい気持ちになります。
珍しい魚をどう売るか
本題である、珍しい魚の売り方ですが今までサカナバッカでは800種類以上もの魚を取り扱ってきました。
実際アイスベットに魚を並べておくだけでは基本的には売れません。
どうやって売るか?
ポイントは以下です。
継続して珍しい魚を並べる
自信をもって接客する
買いやすい価格帯で販売する
お店のファンになってもらう
1.継続して珍しい魚をおく
これは面白い魚がお店に置いてあるという印象をお客様に持ってもらうという事です。たまにあるくらいだと印象が薄れるのでほぼ毎日なにかしら珍しい魚がある状態が理想です。そうやって印象付けておくとお客様の口コミで「あそこに行けば、なにか面白いものがあるな」というお店が作れます。最初は売れないですが根気よく印象付けることがとても重要です。
2.自信をもって接客する
知識量がとても重要です。お客様が満足して買い物していただくために、色々な魚の食べ方や、その魚の魅力はなにかを説明できる接客力が大切です。魚によっては「どれだけレアな魚か」も価値になるので「初入荷」や本当にレアな物については「次に入るかわからないです」なども伝えるようにしています。
一番重要なのは自分が、アイスベットの前で魚を見ているお客さんに対して、これはおすすめですと自信をもって言えること。これは、お客様が安心して購入するためには必須です。
お客様が悩んでいるときに「これは絶対おすすめです!信じてください!損はさせません!」というときは100%美味しいと確信しています。それを買ってくれたお客様は次に来てくださったときほぼ確実に「あれは美味しかった」と言ってくれ、また次の魚に挑戦してくれます。そうすると丸魚を買うハードルも下がりリピートに繋がります。自信をもって伝えるには、魚の日々勉強が欠かせません。
※サカナバッカでは閉店間際まで調理加工(三枚卸、皮引きなど)は無料で行っております。
3.買いやすい価格帯で販売する
珍しい魚で食べたこともないのにめちゃめちゃ高かったら流石に誰も買いません。まずはハードルを下げ、珍しい丸魚を購入してくれるモードを作れるまでは高くて珍しい魚は控えます。
4.お店のファンになってもらう
これはどんなお店でもそうですが、接客や商品などでお店のファンを増やすことが結果的に商品が売れて良い循環が生み出されます。良い店を作るとファンが増えてその口コミでまたお客様が来てくれる。珍しい魚も売れる。簡単なようで難しいことです。
最後に
サカナバッカでは多種多様な魚介類を扱っており、お客様のご要望に応じて細かな仕入れ、販売も可能です。ストーリー性のあるこだわりの魚介類や加工品などで唯一無二の魚屋を作りたいと思っています。面白い魚屋づくりに興味のある方も歓迎します!
もしこれを見た方でこんな商品をサカナバッカに販売してもらいたい、働いてみたいなど興味をもった方はご連絡お待ちしております。
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