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生き残りのための価格政策-ダイナミック・プライシング

デフレマインドで物の価格が上昇しない、状況が約30年続いてきました。
まるで価格はずっと上昇しないことが常識のようでした。
物価の賃金もほぼ上昇しないで一定でした。
これが、ロシアとウクライナ戦争以降にあらゆる物の値段が上昇し始めました。
燃料代、電気代、食料品代、人件費等の品目別値上げが続いています。
私たちの飲食サービス業では、コロナが明けたと思いきや、諸経費の上昇が襲ってきています。

時代はダイナミック・プライシング(変動価格制)へ

すでに飛行機の運賃や宿泊料金やディズニーランドの入園料もダイナミック・プライシング(変動価格制)へ以降している。
特に宿泊業のホテル代は、コロナ禍で大打撃を受けた反動なのか、とんでもない値上げラッシュである。
今まで9,000円で宿泊できたビジネスホテルが1.5倍から2倍の値段になっている。
部屋は変わってないので18,000円はひどい。
インバウンドの好景気もあるとはいえ、ほぼぼったくりの料金設定である。
飲食サービス業でこのような値上げをしてしまうとお客さんがいなくなってしまう。
小売業でこっそりとダイナミック・プライシングを導入しているのが、“ドンキホーテ”である。
商品の売れいき状況により、常に価格を変更している。
一般的には、価格破壊のイメージだが大量仕入商品やプライベートブランド商品は思い切り安く訴求しているが、
お客様がどうしても欲しい商品は価格を思い切り高くして販売している。


生き残りのためには、継続的値上げが必須である。

このまま、値上げできない飲食サービス業は、衰退から廃業への道を走っていくことになる。
食材の値上げ、スタッフの離職、設備の維持補修費と常に出費は増えていく。
この出費に備えて一定の利益を蓄積しておかないと、財産をすり減らして生活していくことになる。
現状維持の考え方でなく、“拡大再生産”で投資余力を蓄えていかないといけない。


過去30年以上前は、毎年の値上げが普通に実行されていた。
いまでは信じられないが、既存店の売上げベースで毎年10%以上の売上が伸びていた。
それは、業績の向上というより、“価格改定という名”の値上げが毎年行われていたからである。
最近の状況から判断すると、諸物価の上昇は今後も継続的に続いていく=メニューの継続的値上げが必須である
 

絶対やってはいけない価格政策-マークアップ方式の値付け

製造原価に人件費と経費分を見込んで、
原価×一定利率=売価を決める方法
売価を簡単に決定しやすいが、お客様によって柔軟な価格政策ができない。
値段が高いと思われてしまう。
この方法を続けていると、柔軟な値上げ対策ができない。
店の利益率はどんどん減っていき、お店は潰れてしまう。


お客様も店側も納得できる価格政策-ダイナミック・プライシング

◎一つ一つのメニューで儲けようとはしない。メニュー全体で利益を出す手法。

●お客様の立場から見ると:とてもお得なボリューム満点のサービスメニューもあれば、サイドメニューも豊富、グルメな舌も満足できる高級メニューもバランス良く揃っている。
●お店の立場からすると:原価が非常に低いが人気の高粗利な儲けメニューもあれば、材料にこだわりがあり店の持ちだしメニュー、すぐ調理できて材料も安価なスピードメニューと揃っている。
●お客様側、お店側の双方が満足できるメニューがバランス良く配置されているメニュー構成にする⇒具体的には、メニュー毎の粗利益率を算出して、メニューミックスで利益率のコントロールを実施する。
高級物ばかり、一般的な大衆メニューばかりでは、お客様の満足度は向上しない。ダイナミックなメニュー構成を組み立てる。

結論:ダイナミック・プライシングでお客様と店側双方の満足度を高めよう!

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・ご相談は:"頑張れ外食産業!" チャンネル  運営者:図解工房 山本稔へ
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