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デザイン思考の型その1 〜ダブルダイヤモンド〜
今回の話は、こんな経験のある人にオススメです
●今日の会議、結局何が目的だったんだっけ?
●発言しても否定的ばかりされるorしてしまう
デザイン思考といえば、ペルソナとかカスタマージャーニーマップとかビジネスモデルキャンバスとかが有名。
でも、これって本気で新規事業を考えるとかじゃないと正直意味ないんですよね。お客さんとの共感フェーズはまさにゼロから腰を据えての始まりなので、それなりの覚悟が必要。
実際研修とかでペルソナを作ってみようとかやるけど、たのしかったですまるで終わるのが関の山。
と言うことで、今回はもっと汎用的に使えるフレームワーク(というか思考法)であるダブルダイヤモンドについて解説していきます!
ダブルダイヤモンドとは
一枚で表すとこんな感じ
まず、この図の横軸は時間軸になっていて、右に向かって進んでいきます。
大きく二つのフェーズ(ダイヤ)に分かれていて、一つは課題設定、もう一つが方策検討。
そして、それぞれに発散フェーズと収束フェーズがあり、2×2の四つに分かれております。
課題と解決(ダブル)
ここは前回のおさらいですね。課題パートと解決パートのダブル。
デザイン思考の基本はまずSTEP1の顧客への共感から入り、STEP2で問題を定義します。つまりこれは課題パートの発散と収束に他なりません。
そしてSTEP3がまさに解決パート。
基本の型の前半部分をビジュアル化したと言っても過言ではないかと。
ただダブルダイヤモンドの考え方の「課題」とは、顧客への共感に限らず、例えば分析機器が動かないとか酵素が反応しないとか実験で生じた課題に置き換えることも可能だと僕は解釈しています。
課題と解決策は一対一対応することが多いので繋げて考えがちですが、しっかり切り分けることで気づかなかった新しいものが見えてくる可能性は大いにあります。
このように、課題と解決という観点で捉えれば、ペルソナなどとは違いかなり汎用性の高い思考法と言えると思います。
発散と収束(ダイヤモンド)
続いて各フェーズにおける発散と収束。ビジュアル的に発散で広がり収束でしぼむことが「ダイヤモンド」の由来。
発散フェーズではとにかくアイデアを出し切ることが大切。
量は質を凌駕します、間違いなく。
なぜなら、発散フェーズの後に収束フェーズがあるから。発散すればするほどダイヤモンドは縦に大きくなり、例え同じ結論に収束したとしても「○○は考えた上で別の策に収束した」と言う事実が大切です。
何か問題が起きたときに、原因を一つに決めつけて、とっとと解決策を探しに行っていませんか?
収束する前に発散することを意識すると、こんな良いことがあります↓
メリット1.今の自分の位置がわかる
ある意味ナビゲーター的存在。
今なんの話をしてるんだっけ?と会議中になることはよくありますが、なんの話?という漠然とした状態よりも、ダブルダイヤモンドのどこの話をしてる?の方がまだ救いが出てきます
例えば課題設定と解決策の検討がごちゃ混ぜになってこんがらがることがありますが、これは明確に分けられるなら分けた方がいい。
今自分はどこにいるのか?これほど不安なことはないので、少しでも立ってる場所を見つけるための地図になるはず。
メリット2.ディスカッションの目的が明確になる
どんなアイデアを出しても上司に否定される、部下が突拍子もないことを言う、上司がまとめてくれない。
こう言う経験誰にもあるはず。
今が発散なのか収束なのか、会議の冒頭で双方で握ることが大切です。拡散フェーズなら絶対に否定しないこと、収束フェーズなら脇道に逸れないこと、この認識合わせをすると精神衛生上役に立つことは多いはず。
最悪なのは発散フェーズなのに一切意見をしないこと。解決策を出さないこと。こう言うヒトはほっときましょう。
メリット3.エライ人のジャストアイデアに先回り
拡散フェーズでダイヤモンドを広げるのが大切と話しましたが、例えばこんなことにも使えます。
上の人の困ったジャストアイデアが飛んできたとき
「いやー、そんなところに目をつけるのはお目が高いですねー、しかし一度(発散フェーズで)考えてはみたのですが、○○という観点で今の策の方がより良いので、今回はこちらでどうでしょう?」
と自分の意見を通すときにも役立ちます。
もしそのアイデアが頭になかったら、自分の発散レベルの低さを自責した方がいい。
まとめ
と言うわけで今回はダブルダイヤモンドでした。
研究をはじめ何かに取り組むときに、課題は明確に決まっていて、解決策ばかり考えてしまうことも多いはず。
でもそんな時は一度このダブルダイヤモンドを思い出してもらって、「課題って本当にそれで固定していいのか?」「課題を拡散したか?」を是非振り返ってみてはどうでしょう。
意外な落とし穴にハマっていることに気づけるかもしれませんし。
やってみると、発散させるには知識と経験がものすごく必要であることがわかるはず。発散フェーズで大量のアウトプットをするために、普段からインプットを心がけよう(自戒)
この話は大きな研究やプロジェクトレベルの話から、一つ一つの実験でも言えること。
例えば実験にネガコンやポジコンをちゃんと入れるべきかみたいな議論も、このダブルダイヤモンドで明確になっていくはずです。
私の経験上の話ですが、研究者は発散が大の苦手です。アイディアを出すのが苦手なのではなく、発散が苦手。正しくないことを言いたくないので考えてからアウトプットをするためだと思います。
次回はその発散をするコツとして自分なりに考えていることを書いていこうかな。
まあしかし、(課題+解決)×(発散+収束)の各4つのフェーズが探索(Discover)、定義(Define)、展開(Develop)、提供(Deliver)なんと呼ばれていて、全てDから始まるDouble Diamondということで、無駄におしゃれ。
でもおなじDならダイヤよりドーナツの方が好きなので、つくってみた
Double Donut◎◎
はい、次回!