素人がデジタルで漫画を描いてみる(5):SketchUp
前回の記事
昨年末、無理やり漫画を描いてみて、一番苦労したのはやっぱり背景だったと思います。みんな嫌いですよね?背景描くの。
背景制作で大いなる助けになってくれたのは SketchUp と mage.space (生成AI)でした。今回の記事は SketchUp のご紹介です。
何がしたいか?
やりたいのは中間距離背景のアタリ・下書きを作ることです。あとアセットのアタリ。机とか椅子とかですね。線入れは自分でやります。
自分でも背景アタリを描けないことはないんですが、ご存じの通りパースって「そら」で描くととても難しいので、正確性に欠けるのです。
背景作画の基礎としては、GIMPの四角形選択で四角を描いてそれを変形させて組み合わせれば空間を描くことはできることは分かります。
GIMPでの作例としては以下のサイトが分かりやすいのですが、モノクロ漫画を描くつもりなので、テクスチャとかはいらなくて、実際には黒枠線の白い四角形を変形して組み合わせれば作画できることになります。
ただ、部屋空間や大きな机くらいならまだいいんですが、もうちょっと込み入ったアセットを設置しようとするとGIMPだけでは難しくなってきます。
つまり、このような背景画のワイヤーフレーム画像を、正確に簡単に生成する方法があればいいのです。アタリや下書きさえあれば、あとは平面上で線入れすればいいだけ、ということになりますね。
ツール探し
最近は背景制作に3Dを使うのは結構普通のことだと思います。なんなら人物を含めてすべての作画を3Dでやっている人もいることでしょう。VRoid StudioとかコミPo!もありますしね。
しかし残念ながら我らがGIMPには3Dを扱う機能はありません。
そうなると外部ツールに頼らないといけなかったりします。
なお、この時点ではGIMPしか使っていなかったので、同様な無料ツールであるKritaやFireAlpacaの3Dパース機能は検討しませんでした。
ここで、真っ先に思いつくのは当然ド定番のBlenderなわけです。
ここはいっちょ勉強してみるかとおもってインストールしてみると、
なんてこと!
Mesa 3Dを使えば起動できるという情報もあるんですが、どうせ重くて使い物にならないのは目に見えているので他の方法を探します。
SketchUp
SketchUp というのは Trimble の3Dモデリングソフトウェアなんですが、なんと、Webブラウザで動くWeb版(SketchUp Free)が無料で使えます。
Trimble IDを作るかOAuthで認証するとWebアプリが使えます。
すごいのは、連携している3D Warehouseからモデルデータをアプリ内にダウンロードできるところです。
注意しないといけないのはSketchUpは「商用利用が不可」ということです。3D Warehouseのモデルデータをそのまま再配布するような使い方は間違いなくダメでしょう。
自分で配置した四角いオブジェクトを使う、しかもアタリに使うのであれば問題はないはずです。
SketchUp の使い方についてはアプリ内のヘルプが充実してますし、ググれば紹介記事がみつかるので参考にすればいいと思います。
使い方は調べてもらうとして、
SketchUpで望む絵を表示させたら、右側のタブから、[スタイル]-[Browse]-[写真モデリング]-「写真モデリングスタイル」を選択するとワイヤーフレーム画像になります。このとき「破線写真モデリング」にすると隠れた面の線も見える画像になります。
他のスタイルを選べば最初から完成した画像が得られてしまいますが…、そのまま貼っちゃおうなどと考えてはいけません。
このあと左上隅のメニューから[ダウンロード]-[PNG]を選ぶとPNG画像でダウンロードができます。
この画面で最終的な画像サイズ、透過させるかどうかを選択できます。
あとはダウンロードしたPNGをGIMPに持ってくれば、ステキな参考画像になってくれます。
パスに変換してごにょごにょ…とか、線画抽出してごにょごにょ…とか、ズルはいくらでも思いつきますが、あとは良心におまかせします。
読んでいただいてありがとうございました。