素人がデジタルで漫画を描いてみる(10):その後の私の線
このシリーズで何気に一番読まれているのが3回目のこの記事(現時点)
この記事が「お!私よりヘタクソいるやん」という安心材料になっているとすればこの上ない幸せです。ダッシュボードがそういっているだけでリアクションはほぼないので実際どう思われているのかはわかりません。
この記事を書いたのは昨年試作漫画を描いたのよりも前、8回目の記事を書いたよりもはるか前なので、線はGIMPの「ブラシで描画」で引いていました。きっと全然納得いかない気持ちだったけど、「もうこの線で漫画描くしかないのか~」という半ばあきらめの境地で記事を書いたんだと思います。
8か月経った今、同じことをやってみたらどうなるでしょう?というのが今回の記事です。
pixivのツキコミは今も続いていて、現在のお題は『「裏切ったな?」と言われて一言!』だったりするんですが、あんまりピンとこないお題だし、比較がしづらいので、前回記事と同じ『「あっ」っていう顔』を使います。
いざ尋常に再挑戦
まず、参考として前回の線画をこの記事にも貼っておきます。
なんかボヤっとした線ですね。これが「ブラシで描画」で引いた線の自分なりの限界でした。
前回描いた上の線画は見ずに、元のノートの落書きを見ながら今の絵で描いてみます。
まずは下書き。珍しく「鉛筆で描画」を使ってみます。
うーん、やっぱり「鉛筆で描画」はないなー。
なんか気づいてしまったんですが、このツキコミのテンプレートってサイズが小さい(750✕750px)ので細い線が引けないと絵を描くのがすごく難しいんです。「ブラシで描画」しか選択肢がなかった前回の結果はまあ理解できる気がします。
続いて「インクで描画」で線入れをします。
たぶん絵的にはなんか変なんでしょうね。上手い人から見れば。すみません。いつも雑なもんであまり時間かけてません。
だけどもこれが8ヶ月後の私の現在位置です。
ちょっとマシになったかも?
さすがに8か月も経って何も変わってないならまだしもさらにヘタクソになっていたりしたら困ります。
めでたしめでたし。
…で、終わったら面白くないので、ここからもう少し実験してみます。
パスで線を引く
前回、秒であきらめた「パスで線を引く」ですが、今の私はパスの使い方を習得した身なので、こんなことは朝飯前なはずです。ちょっとやってみましょう。
…やっぱり無理でした。来年の朝飯前にはなんとか、といったところでしょうか。生首だけで勘弁してください。
キャラクター絵の線をパスを使って引くなんていうのは苦行ですよこいつぁ。
まあでもせっかく作ったので「パスの境界線を描画」で線を引いてみます。
なんだこいつわ。
さらに「インクで描画」でストロークをエミュレーションさせて線を引いた場合がこちら。
えーと。本気でやったとして、1コマ描くのにいかほど時間がかかるのか?ということを考えると、私には無理そう、というのがわかりました。少なくとも漫画のキャラクター絵を描くのには適していないと思います。
同じパスを作るならGIMPじゃなくてInkscapeのカリグラフィーツールとかで描いちゃったほうがいいような気がします。
パスはおとなしく小道具とか背景描くのに使っておくことにします。
漫画に限らず、こんなめんどくさいことをサラッとやってのける人ってすごいです。
消しゴムより歪みツール?
最近どこかの記事で「線は消しゴムより歪みツールで修正する」という文章をみかけました。まあクリスタの話だと思うんですがGIMPにも似たツールはあるにはあります。たぶん「ケージ変形」がそうです。線画の修正前(ファーストテイク)がとってあるのでこれの線を修正してみましょう。
修正したい線を多めの頂点で囲ってケージを作ります。
頂点を引っ張るとそれにつられてケージ内の画像が変形する、ということですね。袖のアウトラインが気持ちまっすぐになりました。
うーん。まあそうなんですけどー。
結局、人間が生み出すビミョーな歪みが筆致(個性)としてあらわれるわけで。例えば書道で書いた文字って歪み修正します?という話だと思うんですよね。
まあ、技としては覚えておこう。でも、どうしても修正が必要ならたぶん私は消しゴムで消して描きなおすと思います。
自分の線をLOVE LOVE あいしてる💛
判を押したような正確無比な絵が描きたいなら今は便利なツールやアプリがいっぱいあるので、何も自分で手を動かさなくてもいいんじゃない?と思ったりします。福笑いでキャラクターを自作しても何も悪くない、もうそんな時代だと思います。それこそ生成AIだってそうですよね。変に隠すからよくないんであって、堂々と言っちゃえばいいのです。絵を自分で描かないのならそれ以外のところでセンスを発揮すればいい、それだけのことです。プロンプトを考えるのもセンスだし、福笑いの並べ方もセンスです。
それでも。やっぱり「自分で描きたい!」と思う人は、どうぞご自身の線を「あいして」あげてください。歪んでも、線が多くなっても、それはあなたにしか描けない線だと思います。私はそう信じています。
読んでいただいてありがとうございました。