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てだの ふあ×みつの はち
2014年11月2日 02:57
自分の衝動性に半ば呆れながら、ヒトミは窓の外を眺めていた。電車はさきほどまでのヒトミが望んでいた、海辺の町に向かって進んでいる。身を任せて乗っていればそこに着くことができる、という事実に気付いた途端、海辺の町がなんとも魅力のないものになってしまった。かといって、会社に午後休を出してまで飛び乗った電車からは降りるに降りられず、ただただ過ぎていく景色を流し見ていた。電車内の冷房は最大限と言える