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2021.2.8 月曜日

ちょっとしたお使いで地下鉄を利用した。私の移動手段はいつもバスか地下鉄だ。初めて降りる駅の駅名が「奥体中心・オリンピックセンター」なんだが、同僚の話ではオリンピックとは全く何も関係ないらしい。意味不明なところがこの国あるあるだ。地上に出ると洒落た雰囲気の街で、福岡で言うならば百道だな。私の家の周辺は広い広い井尻や雑餉隈だ。そして洒落た通りにはたいていスタバや海外の飲食店が並んでいることが多い。ここにはスタバの横に我らが日本の〈すき家〉があったので試しに入ってみることにした。

店内の机も床も本当に曇りなく光っていた。とてもきれいだ。私が注文したのは普通の牛丼に味噌汁、茶碗蒸し、漬物付きの定食だ。出国前はよく色んな人から、いくら中華が好きでも長くいると必ず日本食が欲しくなると言われていたが、未だにカレー以外は恋しくならない。だから日本出国以来初めての味噌汁を飲んだ時も懐かしさより「うん、普通に美味しい」としか思わなかった。にんじんと大根とワカメ入りだ。牛丼は日本の牛丼そのものでとても美味しい。でも漬物を口にした途端私の体に中華が広がった。日本モードになっていたので、こりゃいかんと思いすぐに牛丼でお口直しをした。一味が欲しいなぁと机の周りに目をやったがない。あるのは蘭州ラーメンの時にあった唐辛子油だ。しょうがないから一味の代わりに少し入れてみたが一気に牛丼が別の食べ物に変わってしまった。さらにいかん!いかん!と思い茶碗蒸しを食べた。それはまさに日本の味だ。ダシがきいてて、とてもなめらかで熱々だ。鶏肉が入っていたが大きいし鳥臭くもなかった。美味しい茶碗蒸しのお陰で日本モードに戻ったはずなのに、牛丼に関しては唐辛子油のせいで私はすっかり中国人の味覚になってしまった。日本人が食べる牛丼はさっぱりしすぎて物足りない、というかパサパサして喉の通りがイマイチだ。だから唐辛子油をドバドバ入れて全く違う食べ物にして完食した。

喉の通りで思い出したことがある。中国人への手土産は何がいいか日本にいる中国人に相談した時に言われたことだが、日本人は手土産にせんべいをくれることが多いが、中国人にとっては「珍しい」とは思うものの「こんなパサパサしたもの食べれない。どうしよう。」と内心思うらしい。そして食べれずに最後は捨てるようだ。私は牛丼に唐辛子油をたくさん入れることで喉を通りやすく、食べやすくなった。友人の言ってたことが理解できた気がした。

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定食で約380円。味噌汁にレンゲが入っているところが面白い。中国では(私がよく行くような安いご飯屋さん)ではみんなスープにレンゲなんて使わない。お椀を片手で持って口に持っていく。中国ではお行儀が悪い行為ではない。

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