2020.11.26 木曜日

これほどまでに女性を馬鹿にした曲は未だかつて聴いたことがない。その怒りを煽るかのようなオーケストレーションも素晴らしい。人の心を楽器でよく表現している。

結論から言うとこの曲の最後8小節中8回も女性のことを「すっげーブス」とリズムに乗って言っている。その前の8小説では女性の顔を見た時の驚きにオーマイガーを3回、ワォを8回も言っている。どんだけブスなん。ではなく、どんだけ妄想しとったん?となる。

歌詞はこうだ。ある日曜日、馬鹿男は暇だからとぼとぼ散歩に出る。この「とぼとぼ」が馬鹿さをいい按配で表している。人にもよるが、私なら散歩は「てくてく」と歩く。「とぼとぼ」とは元気のない足取りの様子をいう。つまり馬鹿男はぽさっーと歩いてるわけだ。すると自分を追い越した女性の後ろ姿に目が留まり、そこから馬鹿男の妄想が始まる。ツヤツヤ、サラサラ、ストレートな黒髪、シャンプーの香りでムラムラとくる。たしかに女の私でもこの男性心理は理解できる。私も香りにやられたことがあるからだ。仕事中にムラムラしてきたのだ。同僚が匂いの元を探してくれたら犯人は斜め後ろのオッサンだった。香水を見せてもらったら女性といい関係になるため専用の香水だった。そうとも知らずオッサンは普通にその香水をつけていたのだ。私の会社は事務員でも現場に出て汗をかく仕事。オッサンなりの匂いのエチケットだったのだ。つまりこの話の流れだと私も馬鹿女ということか?歌詞にもどる。そしてその馬鹿男はついに女性に声をかける。この時ドラムが今までのワクワクの鼓動から興奮の鼓動となり、聴き手にまで興奮を煽る。「hey girl !」そしてオーマイガーから上記の通りとなる。この落胆を音楽でコミカルに表現している。

作品に心を強く突き動かされた時に私は議論をしたくなる。文章では私が感じたことを言うのは難しいからだ。「とぼとぼ」「香り」「男性の妄想」「楽曲構成」「もし女性が美人だったら後半の歌詞は…」。正味32小節の中にこれだけの面白い話題が詰まっている。全体としては女性の敵!大胆不届きなんだが、楽曲構成は考えられていて細やかに作られているように私は感じる。スコアが見てみたい。

昨日は一日中これを聴いて「すっげーブス」で飽きもせず笑っていた。この曲のこれが頂上なら、そこに持っていくまでの道のりが素晴らしいのだ。この手法、私も作品作りの参考にしたい。

joe inoue(井上ジョー)
作品:Salvage Demo Session 1 より
「Furimuki BUS」

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