見出し画像

2021.2.5 金曜日

今日の午前中、ビザの手続きに行ってきた。役所は家から歩いてすぐの所にある。待ち時間がなかったため10分ほどで手続きが済んだ。特に面白いことも起こらず全てがスムーズだった。これを奇跡という。早くすんだから少し散歩し、その途中に蘭州ラーメン屋があったので食べてみることにした。中国のどの街に行っても蘭州ラーメンがありとても気になっていた。

蘭州は西安から内陸の方へ北西約700kmほどのところにあり、漢民族の次に回族が多い街だ。回族はイスラム教を信仰している人が多く豚より牛肉の料理が多いと聞いたことがある。なので蘭州ラーメンと聞けば牛のスープに牛肉が入っているとすぐに想像がつく。お店に入りすぐに定番の蘭州ラーメンを注文した。麺は若いお兄さんが奥の部屋で一生懸命に打って、お爺ちゃんらしき人が接客をしていた。4人掛けの小さなテーブルが6つほどしかない小さなお店だ。私の住んでいる地域はこのような小規模零細の個人商店が多い。

注文からほどなく蘭州ラーメンがきた。まずスープから。最近気付いたのだが、中国で出されるスープは味がすごく上品だ。だしそのものに少しだけ塩を入れてる感じでさっぱりしている。当然〈ものすごく〉美味しい。同僚と食事に行くといつも「スープでお腹いっぱいになるからスープは最後」と注意され、おかわりのスープを注いでくれないほどだ。蘭州ラーメンのスープも同様に上品でうまい。箸で麺をつかんだ感じとしては、麺はかなり長いようだ。麺の太さはひやむぎほどか。硬さは博多のとんこつラーメンを食べなれてる人にとってはかなり柔らかく感じると思う。表現が正しいか疑問だが、博多うどんのようにツルツル感はない、コシもない、もっちり感もない。麺にこだわる人は食感に何か物足りなさを感じるかもしれないが、私には食べやすくちょうど良い。麦を食べてるという実感があり美味しい。ちなみに私はご飯よりマントウ(蒸しパン)で食事をすることが多いので中国人からは、顔は南の人だけど口は北の人ですね、と言われる。中国の食文化は、北は麦で南は米と言われている。写真ではスープは白いが、これだと上品すぎてすぐ飽きる。美人と一緒だ。これに唐辛子油を徐々に増やして辛味を楽しむ。少量のパクチーも味の変化に大いに役立っている。なんだか男女関係と似ているかもしれない。

そういえば、お世話係くんから初めの頃、私が迷惑ばかりかけてるからごめんね、と言うと「かわいいからダイジョーブ」と言われた。その1ヶ月後、お友達と遊びたいだろうに、年の離れた大人の世話なんで嫌でしょ、ごめんね、と言うと「学校の先生は嫌だけどあなたは面白いからいいです」と言われた。かわいい人から面白い人に変わった。食べ終わった蘭州ラーメンのスープは唐辛子油で見た目も味も上品さはなくなっている。私に置き替えると、かわいいは忘却の彼方。つまり蘭州ラーメンの味とはこういうことだ。

写真)
9元(約150円)。量としてはとんこつラーメンの替玉を2回した感じで、食べても食べても減らない。大好物リストに追加。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?