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無印良品がスマホを作ったら? ふつうのデザインが息づく、くらしのスマートフォン

先日、無印良品の店頭で、iPhone用のケースを見つけました。ストラップやケーブル、折りたたみスタンドなどもあり、スマートフォン関連のアイテムが増えている印象です。その光景を見て、ふと思いました。

『もし、無印良品がスマートフォンを作ったら、どんなかたちになるんだろう?』

この記事では、何気ない思いつきをきっかけに、近年の無印良品の変化を振り返りながら、「無印のスマホがほしい!」という気持ちを、ただただ綴っていきます。



無印良品に求められるスマートフォン

ふつうという、ふるさと

年末年始に、昔使っていたスマートフォンを見つけて、懐かしさがこみ上げてきました。かつては革命的だったデバイスも、今ではすっかり普通の存在となり、私たちの生活に溶け込んでいます。

・食器や椅子のように、心地よい存在感を持つもの。
・ガジェットのようで、ガジェットらしくないスマートフォン。
・価格や性能、デザインに悩むことなく、無印に行けば手に入る存在。

無印良品には、そんな「普通」のスマートフォンを求めているのかもしれません。


無印良品の共同開発とスマートフォンの可能性

ともにつくる、かたち

株式会社 良品計画
『無印良品 「コートスニーカー」 発売のお知らせ』
https://www.ryohin-keikaku.jp/news/2024_0816_01.html

近年、無印良品は他社との共同開発を積極的に進めています。

たとえば昨年、「Reebok/リーボック」とのコラボレーションを実現し、『コートスニーカー』を発売しました。Reebokの定番モデル『CLUB C/クラブ シー』を、無印良品らしいミニマルなデザインに仕上げたものです。

SNSで瞬く間に話題となり、一時は完売した店舗もあったほどでした。

また、無印良品のアパレルライン「MUJI Labo/ムジラボ」は、スペインのシューズブランド「CAMPER/カンペール」と共同開発したスニーカーを、今年発表しています。

こうした取り組みは、ブランド名やデザイナー名をできるだけ強調しない姿勢を貫いてきた無印良品にとって、ささやかな転機となるかもしれません。

ここで期待したいのが、ファッション以外での共同開発──スマートフォンです。


普通のスマートフォンという選択肢

つかれた、わたしたちへ

新しいスマートフォンが登場するたびに、私たちはカメラの機能や本体のスペック
、バッテリーの持ちなど、さまざまな要素に振り回されています。多くの数字や専門用語を前にして、どれを選べばいいのか迷ってしまうことも少なくありません。

さらに、毎年のように新機種が発売され、休む間もなく次のモデルが出てきます。そのどれもが似たようなデザインで、違いがわかりにくいものばかりです。

そんななかで求められているのは、「最低限の機能を備え、シンプルなデザインで、使いやすいスマートフォン」ではないでしょうか。

もし、そんなスマートフォンがあれば、市場に新たな風をもたらす存在になるかもしれません。

ぬくもりは、スマホから

無印良品の家電は、余計な装飾をなくし、生活に溶け込むようにデザインされています。その背後にあるのは、プロダクトデザイナー「深澤直人/ふかさわ なおと」さんのデザイン哲学です。

KDDI株式会社
『「INFOBAR xv」を11月29日より全国一斉発売開始』
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/11/19/3497.html

これまで、「INFOBAR/インフォバー」「±0/プラスマイナスゼロ」の製品など、シンプルでありながら人を惹きつけるプロダクトを手がけてきました。その独自の視点は、無印良品の家電にも息づいています。

無印良品がスマートフォンを出すなら、白物家電ではなく「白物スマホ」として、シンプルで使いやすいデザインを実現してほしいです。たとえば、かつてドコモから登場した『MONO MO-01K』のようなデザインです。

株式会社NTTドコモ
『「ドコモ スマートフォン MONO® MO-01K」を発売』
https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2017/11/27_00.html

真っ白なボディに、ロゴのないデザイン。無印良品らしいシンプルな美しさと、手触りや質感にまでこだわった仕上がりを期待します。周辺機器も白で統一すれば、見た目にも美しいスマートフォンが完成するのではないでしょうか。


暮らしにそっと寄り添うスマートフォン

「ふつう」ってなんだろう?

スマートフォンは生活に欠かせない存在でありながら、どこか特別なものとして扱われがちです。しかし、本当に求められているのは、肩肘張らず、ただそこにあって心地よい、道具としてのシンプルさではないでしょうか。

それは、無印良品が提案する「生活になじむデザイン」と深く結びついています。

深澤直人さんが以前、『ふつうというのは結局みんなが戻りたいところじゃないだろうか』[1]と語っていました。

私たちが求めているのは、そんな「ふつう」のスマートフォンです。

そこにあって、当たり前の存在。机や椅子、コップのような、日常にそっと寄り添うデバイス。ただ使い続けて、気づけば手放せなくなって、ふと懐かしく感じる日がくる。その真っ白なスマートフォンに、色鮮やかな思い出がよみがえってくる。

無印良品のスマートフォンが実現すれば──
私たちの暮らしも、ほんの少しだけ幸せに包まれるのかもしれません。



参考:

[1] 深澤直人『ふつう』 D&DEPARTMENT PROJECT, 2020, p6.


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