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今こそ、職場から「TELハラ」をなくすとき。

朝日新聞でステートメント広告を出しました

2021年3月31日の朝日新聞朝刊に『今こそ、職場から「TELハラ」をなくすとき。』というステートメント広告を出しました。


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新年度が始まるタイミング。
私たちはここしかないタイミングで、温めてきた意見を世に出すことにしました。

「新卒社員は電話番から始めてもらう」
「代表電話を取るのは総務の仕事」

こういう会社がまだまだ世の中にはたくさんあります。
でもあえて物申したい。もうこんな習慣は無くなっていい。

8割の電話は自社にとって不要な押し売りの電話だし、
残りの2割だって、実はメールやチャットで済む用件がほとんど。

「新人だから」「総務だから」

年齢や肩書を理由に、ストレスの多い電話番をさせる「TELハラ」をなくしたい。
そう思うようになりました。

「急ぎの用件はやっぱり電話が一番」

よくわかります。
同期的にその場でメッセージをやり取りできて、機微も伝わる。
電話が不便だとは言いません。

よく知った間柄、今話さなければいけないこと。
電話はこういうときに、とても有力な連絡手段です。

しかし、わざわざ間に電話番の人をはさんで、
ほとんど不要と分かっている電話に対応することには価値がないんじゃないか。

これを皆さんに問いたいです。

新卒時代、私も電話番だった

私も新卒時代、配属されてから数カ月間は電話番をしていました。

「●●の見積りを作ってくれ」
「xxのウチの仕入れ掛け率って何%だっけ?」
「営業の▲▲さんに代わって」

毎日目が回るような件数の電話に出て、
受電メモを書いては先輩のデスクに置いてました。

忙しい先輩に代わって電話に出るのは当たり前だと思っていたし、
最初はうまく電話に出られなかったけど、しばらくしたら流暢な対応もできるようになった。

「電話番をやらせてもらって、仕事ができるようになった」
と当時の私は感じていました。

ただ冷静になって考えると、電話は「仕事している感」はあるけれど、
仕事は前に進んでいなかったなと今になって思うわけです。

・見積作成は、別の機会にきちんと習って覚えた
・口頭受注を受けるのは危険だから、再度メールやFAXで発注受けてた
・仕入れ値はもちろん事前に取り決めがあって、表を渡してたりする

お客様やパートナー企業の人たちの御用聞きとして、
便利に電話で問い合わせてもらえていたとも言えますが、
それに新人を充てていたら当然利益は出にくい。

自分で仕入れ値表を持ち歩いて見てもらえれば良いのに、
電話一本で答えてもらえるから、そういう習慣も作ってもらえない。

時に学びもあるかもしれませんが、
練られた社内教育プログラムと比べて、教育効果が薄そうです。

電話番させてたら新人が辞めてしまった

かつて新卒大量採用 + 終身雇用の時代には、「3年かけて一人前にする」という価値観は大手企業を中心に当たり前のものだったそうです。定年まで40年同じ企業で働く前提ならば、「最初の3年は修行」でも将来見通しは悪くないかもしれません。

いまは大卒の3年以内離職率が3割、業種によっては5割の時代※1 です。
企業と個人は対等に評価し合って、お互いに選ぶ・選ばれる関係になってますから、
『電話番させてたら新人が辞めてしまった』なんてことが普通に起こってしまう。
※1 データ参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況

fondeskの調査によると、7割近い人が会社への電話を受けることにストレスを感じていて、6割以上の人が昔と比べて電話の必要性を感じなくなっています。

せっかく採用した新卒や総務担当の方が辞めるリスクを負ってまで、
電話に出させるのは、とてもじゃないけど割に合わないんじゃないでしょうか。

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※2 fondeskの調査結果はこちら

今こそTELハラをなくすとき

2020年の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、
私たちは働く場所や環境を大きく見直すことになりました。

「本当に転勤は必要?」
「定期出張ではなくオンラインミーティングで十分では?」
「コロナ収束後も原則在宅勤務でOKにしよう」

各社で「そもそも」が大いに議論されています。

Twitterは在宅勤務を永年継続する方針を発表したり、
AIG損害保険が転勤を廃止したり。

コロナ以前には想像できなかった企業アクションが続々と増えています。
「TELハラ」にもこれから各社でメスが入っていくんじゃないでしょうか。

ぜひこの機会に、自社の電話対応について考えてみてください。

もし良かったら、「#TELハラ 」のハッシュタグを付けて、
ご意見・ご感想をTwitterに投稿してくれたら嬉しいです。