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ガンダム ジークアクスについて        ジオンに甘すぎる世界感       虐殺者を商売のネタにする人々❹

ガンダムというアニメは現代にいたるまで50年近く新作が作られています。単純に知名度が高い事もありますが、固定ファンが見込めるのでスポンサーがつきやすいのでしょう。

で、その最新作が機動戦士Gundam GQuuuuuuXです
(後半がやたら引き伸ばされていますが、これでジークアクスと読みます)


復活のザビ家

主人公は女子高生という設定のアマテ・ユズリハです。民間人の素人で特に訓練を受けたとか軍に依頼されたとかでなく成り行きでガンダムに乗り込みます。

こんな貧弱で日常系学園デザインの少女が殺人兵器に乗るのもどうかと思わないでもないですが、初代からして15歳の少年が同じシチュエーションでガンダムに乗っているのでいまさらです。

まあ、そこはどうでも良いのですが、気になったのは世界感の設定です。

地球からもっとも遠い位置にあるスペースコロニー群サイド3が「ジオン公国」を名乗り、地球連邦政府に対する独立戦争を挑んで・・・

ここまでは初代ガンダムの設定です。

宇宙での拠点を喪失した連邦軍は戦争の継続を断念し、宇宙世紀0080年1月3日に地球連邦政府は公国と休戦協定を締結。独立戦争(一年戦争)はジオン側の勝利で終結した・・・

ジオン側の勝利で終結した・・・ジオン側の勝利で終結した・・・?

初代ガンダムの設定でジオンが勝利した!?

これはとんでもない話です。
歴史改変ものという事なのでしょうが、これまでのガンダムのアニメシリーズの歴史を根本から覆す設定作品ですし
なにより
あの悪魔の殺戮者ギレン・ザビが生き残って勝利したという事です!

ギレンは宇宙であれ地球であれ人類を自分の思想と野望の為だけに殺しまくった最低最悪の人間です。
初代ガンダムでは敗戦して暗殺されたからこそ断罪を免れましたが
生存していれば間違いなく悪行を追求されておかしくありません

ジークアクスの作中では5年が経過しているとの事ですが
あんな人類を戦争と殺戮で管理しようとしていた人間が5年も生きていたら
ろくな世界になりません。

勝てば正義という言葉もありますが、創作史上、最も勝たせてはいけない男です。

ジオンの永久再利用

ジオン軍という存在は初代ガンダムで敗北して以降も延々と発生しては
サンライズとバンダイの為に蘇り続けましたが、それでも
負けたテロリスト】だからまだ納得できる部分もありました。

それを歴史改変までしてザビ家の勝利にまで持って行ってしまうと
根本から色々とおかしくなります。

ガンダムというのはジオンを打ち破った正義の主役機であったはずが、ジークアクスの世界観ですとシャアが持ち出してジオンで使っていたようなので
最早ジオンの玩具です。

恐らく、宇宙世紀(ガンダムの正史)でジオン軍があまりにも蘇りすぎて戦争と使いどころが無くなってしまったので歴史改変をしてまで再利用しようとしたのではないでしょうか。

これで後100年ぐらいはジオン軍を出し続けられます
しかし、その世界線はジオン大勝利、ギレン万歳の世界です。
理性もへったくれもないおぞましい歴史になる事は間違いないでしょう。

ジオンが負けた正史の世界線のミネバ・ザビはガンダムUCと言う作品で
「私にも、生まれついた”家”というものがあります。一年戦争の悪名を背負った家です」

ミネバ「私は、政治に無関係ではいられない。また同じ過ちが繰り返されようとしているなら、命に代えても止める義務と責任があります
とまで発言していますが、全部帳消しになってしまいました。

ミネバ・ラオ・ザビ

庵野秀明という男

ジークアクスはサンライズ、バンダイだけでなくスタジオカラーも製作にからんでいます。ここの代表は庵野秀明というエヴァンゲリオンを作った人です。
ロボットアニメ業界ではかなりの有名人ですが近年は
【シン○○】という既存の特撮作品のリメイクというか庵野制の改変作品とでも呼べるような物ばかり作っています。

こう言うと何ですが、人のフンドシを借りて改変する作品ばっかり作っているクリエイターでもあります。

今回も脚本として参加しているので、世界観に関しても大きな影響があったと考えられますが、ガンダムに関わるのはまだしもギレンまで改変して復活しなくても良かったでしょう。

ジークアクスのジークというのは勝利と栄光と言う意味の言葉ですが
ガンダムにおける意味は特別で

ギレンがジオン万歳! の演説をする時に叫ぶ『ジーク・ジオン
から取られていると思われます。

なんて言うんですかね、ガンダムが虐殺者の手先に落ちぶれた気がしてなりません。
後にワラワラ出てくる【何とかガンダム】とは違い初代ガンダムには
特別な重みがあります。

ギレンと率いるジオンの悪の帝国に立ち向かう抵抗と反撃の象徴だった白き戦士がですね、真っ赤になって地球人の敵になってしまった訳です。

ジークアクスのシャア用ガンダム

こんな奴を初代ガンダムと同列の存在として呼びたくないですね。

まとめ

ジオンが勝利したという事は
地球連邦の悪しき支配から独立を果たした正義の国家
という事でジオン公国が認められてしまったという事です。

ガンダムの世界には人類を導くニュータイプという概念がありますが
ジオンの様な殺人集団が人類を導いたらお先真っ暗です

もうね、いくらジオンを出した方がウケがいいとはいえ、こんな倫理観の無い世界は滅びた方が良いと思います。
ジオンの戦争犯罪も免罪されてそうなので、コロニーもバンバン落として
地球の人類は絶滅でもするんじゃないですかね

とりあえず最後に一言だけ言うとするならば、売れるからと言って安易に悪役を勝たせてしまうと不快感が強すぎるという事です。

サンライズもバンダイもジオンの再利用はガンダムと言う作品の根幹を揺るがす問題がある事を認識した方が良いでしょう。

と言った所でこの連載は終了とさせて頂きます。




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