行動力がある人は実現するまで走り続ける
私には行動力が無い。
いつも何かに挑戦する時は、事前に確認やシミュレーションが必要だ。挑戦するリスクも考えるし、何かを天秤にかけた上で、ようやく「やらない」と決断したこともある。
もちろん「どうしようかな」「難しそうだな」と悩んだまま、ズルズルと先延ばしにする事の方が多い。
私と社長の性格は正反対だった。
いつも言葉の端々で威張り散らす、典型的な昭和を描いた社長さまだ。
自分では出来ない、面倒だと思う業務は全部丸投げ。
成果を出さない従業員は「怠け者」扱い。
自分のミスは他人のせい。
他人のミスは怒鳴り散らす&ねちねち攻撃。
気にくわない従業員には小馬鹿にし、嘲笑する。
従業員はコマ扱い。
そんな社長だが、決断力と行動力とスピード感はとてつもなかった。
迷う時間は存在しない
「これをやろう」と決めたら即行動。
相手の都合も考えず、すぐに電話をする。(パソコンが苦手なのでメールでのテキストコミュニケーションが皆無)
打合せが必要なら最短の日にちでアポを取る。早くてその日の夕方に打ち合わせしてたりする。
迷う時間など、彼には必要なかった。
自分が決めた「ゴール」に向かって、行動を止めない。
そうして周りの人間も同じスピードに巻き込まれる。
業者の手配も全て電話。次々と業者に電話をかけまくる。「めちゃくちゃ急ぐから、すぐに見積りをFaxしてくれ」
従業員には「〇〇日までに書類を作れ」「〇〇日までに手続きしろ」
バタバタと急かされる業務に、1日も経たずして「あの書類、できたか?」と聞いてくる。
〇〇日までじゃないんかい。
最近では「この人って、準備している時の『忙しい自分』に酔っているのか?」と思うようになった。
ゴールを先延ばしにしない
社長は一度「この日までに実現させる」と決めたら、必ずその日に間に合うように走り続ける人だった。
間違いは後から修正すればいい。
ゴールを実現した後で問題が出れば、その都度解決すればいい。
準備不足でも構わない。
誰に何を言われても「いや、できる。問題ない」と聞き入れない。自分の決めた目標がブレることはなかった。
いや、ただの頑固者では?
スケジュールが少し後になるくらい問題ないのに。
ひねくれた私の性格ではそう考える。社長の後先考えないハイリスクな経営に毎回不安になる。
目標達成をゴールにしている為、ゴールした後の事は頭に無いようだった。
失敗をイメージしていない
社長は失敗するイメージを持ち合わせていないようだった。
むしろ、成功するイメージしかない。
周りで「いや、これは失敗するでしょ。辞めましょ」と言われると俄然やり遂げようとする。ある意味、無謀である。
だが、成功するイメージを持つ事はとても大事で、スポーツ選手の多くは「失敗するイメージ」より「成功するイメージ」を持って挑んでいる。
これまで人間として過小評価してきたが、社長の近くで仕事をしてきて、唯一この部分は尊敬できた。
成功するイメージに向かって走り続ける。
リスクを考えて尻込みする私では、なかなかマネできそうにない。