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ボードゲームを1万個以上遊んだ男がNO1に選んだボードゲーム『アークノヴァ』の魅力を解説します!


アークノヴァってどんなゲーム?

アークノヴァとは2022年ドイツゲーム賞を受賞した本格派のボードゲームです。
ドイツゲーム賞とはボードゲーム初心者向けというよりはゲーマー向けに設立された賞ですので、このゲームもボードゲーム始めたての方というよりは何種類かボードゲームをやってみて何か他に面白いのないかな?と思った方には超オススメのゲームです。
詳しいルールはYouTubeに上げておりますので是非そちらをご視聴下さいませ。

改めてこの時の自分を見るとまだ下手くそですね(笑)
BGAをやりながらの説明なので至らない点があるかもしれませんが、この動画を観て頂ければルールがしっかり分かってもらえると思います。
ゲーマーが好きなエンジンビルド要素やタイル配置、ドラフト要素やワーカーなど複数のメカニクスが組み合わされた大作で、ゲーム時間も慣れれば1時間半で終わります。
私はボードゲーム歴約20年で累計1万個以上はプレイをしましたが圧倒的にこのゲームが1番好きです。
今日はこの『アークノヴァ』の魅力を存分に語りたいと思います。

魅力その1:「マルチメカニクス」で圧倒的なバランス!

アークノヴァはいくつものボードゲーム要素が取り込まれていますが、複雑なゲームになるとどうしてもゲームバランス調整をするのが難しいものです。
ところがこのゲームは本当にすごい!非の打ちどころがない完璧なバランスで作られています。このコストが高すぎる!このカードが強すぎる!などはありません。
また、アークノヴァは5つのアクション行動がありますがどの行動も全て意味があります。定石としてこのアクションを特化すべき!みたいな事がなく、毎回パターンが変わるのでリプレイ性も抜群です。
例えば『カタン』では、独占カードが極端に強いという印象があります。アークノヴァにももちろん強力なカードはありますが、その分プレイするのに条件が厳しかったりコストが高かったりします。この辺りのバランスが完璧です。
通常使用する手札のカードは全部で212枚!その全てがユニークカードでありそしてその全てのバランスが良いです。本当にすごすぎます!

魅力その2:「動物園を作る」というテーマ性に合致したゲームバランスも最高!

アークノヴァは素敵な動物園を作ろう!というのがテーマです。その為たくさんの動物が登場します。動物カードだけでも128枚全てがユニークカードです。
テーマを重視しすぎてバランスが崩れてしまうというゲームを私は幾度となく見たことがありますが、アークノヴァは違います。
例えば「霊長類・猿」の動物カードですが、この動物にはオーストラリアやヨーロッパに生息している動物が登場しません。(実際にオーストラリアやヨーロッパにはいないのかな?)
そうすると全体としてオーストラリアやヨーロッパの数が減りバランスが崩れそうなものなんですが、ちゃんとバランスが取れています!他の動物でちゃんとオーストラリアやヨーロッパの数を調整しているんですね。
素敵な動物園を作る為には、動物をプレイしていくだけではなく、動物を保護する保全計画をしていく必要があったり、評判をあげる活動をしたりというテーマもとても素晴らしいです。そしてやはりどの活動も重要になってくるマルチ方向の考え方がすごい。作者のマティアス・ウィッジはこれがボードゲーム処女作らしいのですが、なんて天才なんでしょうか。

魅力その3:特殊ケースを全て網羅している

これだけ複雑なゲームなのにも関わらず特殊ケースを全て網羅しているのもすごいです!「あれ?この場合ってどう処理したら良いんだっけ?」という事象が起きた時の対処方法がちゃんとルールブックに明記してありますし、その上やはりそのバランスも丁度良いです。「催眠」というアタック効果がありますが手番終了時に連続で相手のアクションを乗っ取れるという強力な能力です。私はこの能力を見た時にドミニオンの「支配」というカードを思い浮かべました。支配はドミニオン界でも最も嫌われている最悪のカードです。何より処理の特殊ケースが大変で毎度毎度エラッタで調整が入っていく。もはや私も完璧に把握していませんしする気にもなりません(笑)
しかしアークノヴァの催眠効果はどうでしょうか?確かに複雑で特殊ケースも多いですが、ちゃんと全てが網羅されており、そしてそのバランスも良いのです。
私が一番関心したのは、お互いが機敏(パス)アクションをしあってしまった場合の処理です。アークノヴァをやり込んでいくとたまに起こる事象です。
次のラウンドのスタPを取りたいが為にラウンド終了のトリガーを引かない為にお互いがパスアクションをし続けていくというケースがあります。この特殊ケースなんですが、ちゃんと終息するんですよね。パスをすると×トークンが手に入るんですが、その上限が5と決められているのでいつかパスができなくなります。これによりどちらがパス息切れをするかを見極めながら早めに対処する方が良いという戦略が立つのです。
ついでなので、アークノヴァのパスについての素晴らしさも話しておきます。
パスをするアクションは得てしてボドゲにおいては弱いアクションとなり、ゲーム後半のパスなんて絶対悪手だろって思うんですね。これがアークノヴァだと違うんですよ。後半でもパスが有効になる場面があります。「まさか!ここでパスだと!?」このパスがまさか効いてる!なんて場面によく出会います。実に美しいバランスだと惚れ惚れします。これだけゲーム時間も長い中、一体何回テストプレイしたんでしょうか!?

魅力その4:どこからでも逆転可能なゲーム性

アークノヴァは逆転可能なゲームなのが素晴らしいです。カタンやドミニオンでは前半で大差をつけられると逆転が厳しいです。特にドミニオンは2ラウンド目で大差がつき残り30分の敗戦処理をさせられる絶望の状態があるのがいかんせん気になります。
アークノヴァがなぜどこからでも逆転が可能かというと、まず1つ目に終了条件が起因しています。アークノヴァの終了条件は100点のトリガーを引いたら相手手番まで行って終了するというものです。
もし40点対80点とダブルスコアの状況であったとしても、相手が100点のトリガーを引かないかぎり負けている方はいくらでも点数の伸び代があります。拡大再生産ゲームというは得点が高いほど富が富を生み、負けてる方が逆転するのが難しくなってしまうというのが通常なのですが、アークノヴァは相手がミスアクションをすればどこからでも逆転が可能です。これは本当にすごいシステムです!
もう1つは逆転可能な動物カードの存在です。パンダ・ガラパゴスゾウガメ・スマトラトラ・アムールトラ・ハクトウワシ・イヌワシ・ユーラシアヒグマなど、これらの動物カードはプレイするだけで高得点や連続手番などの付随効果がある強力な動物カードです。相手との差を一気に埋めて流れを変えてくれる可能性があります。「おい!じゃあこういう強力なカードを引く運ゲーなのか?」というと、それもまた違います。これらのカードはプレイするのに条件が必要なので、それが整わなければいけません。すぐにプレイできない分、逆転の為にいかにこれらの動物を手札で管理しておくか!?ディスプレイに出た時にどこまでドローをするのか!?がちゃんと求められます。脳死でこのカードが強いからとっておこう!となると手札の上限もあるので首を絞める事にもなりかねません。しかも元々のカード枚数が212枚ある訳ですから、単純に毎回運良く手元にくることもありません。負けている時はこれらのカードが来てどう逆転を組み立てるのか考えるのも面白いですし、勝っている側はいかにこれらのカードを相手に使わせないか?または自分がプレイしより差をつけるか?等がちゃんと考えられるのも面白いポイントです。
1ラウンド目に、科学プレイコンボやペンギンのプール+鳥類学者などの強力コンボを見せつけられても、アークノヴァにはこの逆転要素がある!最後まで希望を捨てずに安西先生の精神で楽しくプレイしていきましょう!

魅力その5:運と実力のバランスが最高に良い!

私は今まで1万個以上のボードゲームをプレイしてきましたが、ここまで運と実力がしっかり調整されたゲームに出会った事はないです。
アークノヴァは実力と運がしっかり8:2くらいで調整されています。実力が8に対して運が2です。私が1番最初にボードゲームにハマるきっかけとなった『カタン』は6:4といった具合でしょうか。運要素が強いのは初心者にとってはありがたく初心者でも楽しめるとも言えますが、逆に経験者にとってただの運ゲー展開になるのは面白くありません。特に30分以上かかるゲームで最終的にただの運になってしまうのは理不尽な気がします。そう、私はボードゲーム においてこの理不尽さが大嫌いなのです。例えば、ドミニオンで初手に買った2枚が2つとも底沈みする。もうこの運だけでほぼ勝てません。VS初心者戦であったとしてももうきつい。最初の5分でのバットラックで残りの30分くらい敗戦処理をする為にプレイするという展開です。カタンはかなり優秀だと思いますが、交渉のルールが曖昧なので、公式の日本選手権ルールであってもあれは良い、これはダメが定まっていないのが理不尽な点だと感じています。
殊、アークノヴァに話を戻すと、このゲームは本当に運と実力のバランスがよくできたゲームです。負けてしまう場合は自分の手順ミスのせいで負ける!このケースが多いです。魅力4で語った逆転可能要素にも含まれることなのですが、負けている時は相手がミスをしてくれたそのスキをつくという事もできます。もちろんカード運もあるので将棋のような完全な実力ゲームではないのですが、実力差が多きい分、競技要素があるというのもこのゲームの魅力です。
将棋や囲碁のような完全情報ゲームが好きな方もハマるし、運ゲームがあまり好きではない方はむちゃくちゃハマるゲームだと思います。

まとめ

以上がアークノヴァの魅力となります。まだまだアークノヴァに関しては語りたいことが山ほどあるので、是非とも今後ともチェック頂ければ幸いです。
まだ多分noteは書き始めですが、多分アークノヴァに関しての記事が1番多くなると思います(笑)
YouTubeでも動画で紹介していますし、東京・池袋にあるボードゲームカフェでは実際にカタンを遊んだりレクチャーすることもできますので是非お近くの方はご来店下さいませ!
最後まで読んで頂きありがとうございます!
これからもボードゲームに関しての記事を上げていきますのでフォローやいいねよろしくお願いします!


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