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柘榴まだ私の中にある悪夢

俳句生活9月の兼題「石榴」
結果は人選。夏井いつきさん、有難うございました。

「石榴」といえば、西東三鬼の名句

露人ワシコフ叫びて石榴打ち落とす


真っ先にこの俳句を思い出すのではないだろうか。
この俳句は実際の景らしく、三鬼が神戸の洋館、
通称「三鬼館」に棲んでいた頃、
隣人のワシコフ氏を描いたものらしい。

大男のワシコフ氏がコミカルに石榴を落とす風景だ。
そんなことも俳句にしてしまうとは、
三鬼の着眼点はすごいとしかいいようがない。

三鬼は俳句の他にエッセイも面白い。
「神戸」「続・神戸」というものがある。

全般的に可笑しく表現されて、
現代でも笑える作品だ。
戦時中はもっとどんよりとしているの思ったのだが、
やはり三鬼の眼は特異だ。

しかし、軽快な文体の中にある、
三鬼のまじめさ、体制への批判、はかなさも
注目しなければならない

半日くらいで読める本なので、
機会があったら、手に取ってみてください



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