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こんな本はいかが⑳ 子どもにスポーツをさせるな 小林信也

自分は学生時代にちょっとかじった長距離走と、父からしごかれ身についたスキーくらいしかスポーツはやらない(できない)。球技はてんで駄目。長距離走(ランニング)だけは今も体作り&楽しみに続けている。

そんな自分のことはさておき、本書はなかなか挑発的なタイトル。
内訳はスポーツライターで業界の裏事情も知る著者が「子供がスポーツをやる=プロデビューやオリンピックを目指す(目指そうとする)→最終的にはスターになる、金持ちになる  業界も報道もそれを迎合している この風潮なんかおかしくね?スポーツの本来の目的って一体何だ?」という本。

トップアスリートの功績はもちろん凄いとは思うが、メディアによるアスリートの偶像化/エンタメ化やスポーツの話題=明るいニュース!
こういうのにどうにもモニョって生きてきた自分にとってすごくしっくり来た。

本が古いせいか、石川遼さんや谷亮子さん、石井慧さん、また東京五輪誘致(まだ招致決定もしていない!)についての疑問 などが話題に挙がっているが、プロスポーツ/またその報道の
「勝てばいい」「儲かる」「目立つ」
「スター選手の偉業やわかりやすいシンデレラストーリーばかり報道される」
「視聴率が取れればいいので同じ選手ばかりスポットを当てる」
このような風潮はおかしい、スポーツには勝ち負け以上に大事なものがあるのに無視(極めて軽視)されている、本来の良さを失いつつある、そんな環境が子供たちにスポーツをやらせるのに本当に適しているのか?という意見は今でも古びていない。(というか悪化してる気もする)

綺麗事ばかり並べている印象も否めないが、スポーツが好きだからこその苦言だと思いたい。



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