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こんな本はいかが㉘ 部屋の隅っこには恋のかけら トータス松本

ウルフルズの魂のボーカリスト、トータス松本の自伝的一冊。
タイトル名の由来は、アマチュア時代に初めて作った曲のタイトル(世間には未発表)だとか。

幼少時代(割とどーでもいい、ごめんなさい)からカフェ・カンテグランテのバイト仲間(後のメンバーたち)との運命的な出会い〜デビュー後の苦節数年、ガッツだぜ‼の大ヒットによる環境の変化〜ジョンBチョッパー脱退/復帰〜ウルフルズ活動休止前後辺りまでが語られている。

今の所、ウルフルズメンバーの自伝は以前紹介したジョンBチョッパーのものと、こちらしかない。
ケーやんやサンコンのも読みたいけど今更無理だろうなぁ…

↓ジョンBチョッパーの自伝記事はこちら

個人的に好きな章の一つが、やはり上記(ジョンBの本)でも鏡のように触れられている、ジョンBの脱退/復帰のくだりであろう。
歌も歌える歌詞も書ける、言いたいことは全部言う。事務所の社長にも平然と噛み付く。そんなスタンスから自然とウルフルズを牽引するようになっていったトータス松本。(ウルフルズに馴染みのない人は誤解しがちだが、本来のリーダーはギター担当のウルフルケイスケ氏である(現在バンドの活動休止、ソロ活動中))
そんな彼のスタンスや作詞作曲の傾向変化に疑問を感じ、また大ヒットによる生活の変化についていけずパニック障害&鬱病に陥ったジョンBチョッパーを心配し、彼に振り回され、自身も心を病む直前になっていたトータス松本。
しかしながら、ジョンBチョッパーが復帰を懇願した時の章の締めのくだりがたまらない。

「俺のファンからさ、トータスさんはジョンBさんに振り回されてかわいそう、なんて手紙が来たけど、俺らが傷ついたのなら黒田(ジョンB)も絶対に傷ついてるはずやん。片方だけが傷付いたってことはないねんから。長いこと一緒にやってきた仲間のそばを離れて不安な思いをして…。黒田の心の中も尋常じゃなかったと思うよ。だから戻ってくるって言い出したから、それを水に流しただけの話でさ。」
(一部要約)

漢だねぇ

そしてもう一つが、ウルフルズ活動休止前後のすれ違い。自分ばかりに光が当たるようになりつつも、他メンバーにも同じくらいクリエイティブさを発揮してほしいと願うトータス松本と、自己を抑えトータスの歌唱を支える演奏に徹しようとする他三人。その歪み・すれ違いが各々のモチベーション低下、ひいては活動休止へと繋がっていった、と語るトータス。
後の活動再開直前、ウルフルケイスケ氏が「まずは「自分」や。ちゃんとそう思ってるやつが集まって信頼関係が築けてからじゃないと(再開できない)」とトータスに懇願した(ウルフルズぴあ より)とのことなので、トータスの分析は正しかったのであろう。

今は何やかんやでまた三人なのだが、これからも魂を揺さぶるおじさん達、青春を突っ走って欲しい。


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