こんな本はいかが⑮ 大人になってもできないことだらけです きしもとたかひろ
学童保育の仕事をしている作者が、日々思う事つれづれを綴ったコラム集。
ドジで忘れ物が日常茶飯事と語る作者が、子供たちとの、学童の仕事との、そして人生との向き合い方を毎回色々な出来事を通して語っているのだが、自分に言い聞かせているようでもある。
日々完璧ではないけれど、悩みながらも子供たちと接し、考えを巡らせ、自分自身も子供たちも大事にして(また、大事にしようとして)毎日を前向きに過ごそうとしている姿を読むと、私も、自分の事をもっと認めてもいいかな、もう少し気を軽くして生きてみてもいいのかな、という気持ちにさせてくれた。
「自分の性格をなおそうと思うとやっぱりしんどい。欠陥品だなんて思いながら生きていくなんて、そんな辛いことないよ」
「みんながしんどくないことでも、君がしんどいのならしんどいんだよ。休んでいいんだよ」
このへんの文章で泣きそうになってしまった。
カテゴリ的には育児関連本であり、本来の読者層ではないのかもしれないが、下手なセラピー本より心に響き、励まされた。
実は、現在あれこれあって休職中である。
休んで、色々と落ち着いてきた。
まだぼんやりとだが、新たにやりたいこともできた。形になるかも分からないけれど。
今までの自分も、これからの自分も認めていきたいと思う。