
こんな本はいかが③ ニッポンの恐竜 笹沢教一
タイトルで図鑑的なものを思い浮かべるかもしれないが、本書に出てくる恐竜は、まぁ大ざっぱに言って両手で数えるほどしか出てこない。
本書で恐竜、また古生物の化石は主役であって主役ではない。
では、なんの本かと言うと
日本で〇〇リュウと呼ばれる化石の発見経緯、発掘、調査、研究、命名に至るまで、化石とそれに携わった人々の記録 が主である。
諸事情により図鑑から消えてはや数十年の化石、宮沢賢治がその存在を予言した化石、メディアや町おこしに翻弄され本来持つ価値が誤解されてしまった化石、等々…
序章に「博物館に並ぶ化石には、関係者それぞれの思いや苦労があって、ようやくあの場所にたどり着いたのだと感じ取ってほしい」とあるが、全く持ってその通りだと感じる一冊です。
この本を持って北海道巡ったのも良い思い出。