【書いてみた】コモンビート短編|オトナピーターパン
「⋯何だと!?この野蛮人!!」
心の底から腹立たしく、その腹から声が出て相手を怒鳴りつけた。
“腸が煮えくり返る”とは、この事だったんだと知った様な気がした。
僕はみんなを守りたい⋯
だから今ここで、俺は大人になる。
「僕はオトナになんてならないよ。」
そう言ってみんなと過ごした、楽しくてかけがえのない日々。
あの華やかなステージ。
大人になってしまったら、この気持ちを忘れてしまうから。
ずっと子どもでいたかった。
大人になんて、なりたくなかった。
それが、ある日突然⋯
世界が全てひっくり返された。
聞き取れず理解する事を諦めた、他国の言葉。
美しくも恐ろしく見える、僕たちとは違う肌や髪、瞳の色。
受け入れろと言われる方がおかしい、合わない価値観。
このままだと、この国は終わる。
訳の分からない奴らに汚されてしまう!
ずっと子どもでいたかった。
大人になんて、なりたくなかった。
取り戻すためには⋯僕が。
俺が今、大人になる事しかないんだ。
今から戦いに挑んだとしても⋯
全部、返って来ないと分かっているさ。
でも⋯
いや⋯取り戻す為に、行くんだ。
楽しかった日々や自由を取り戻すために。
みんなを守るのは俺しかいない。
もう迷わない、怖くない。
だから俺は行く。
後になんて、引かない。
自由で広い、青い空を抱きしめる様に舞うんだ。
「やむを得ぬ戦い!戦う運命(さだめ)!!」