一番アートのチカラを信じるべき人が信じれていない。
ギャラリーのスタッフは、皆給料が安いし、若い作家も作品が極めて安い。誰も言わないけれどこれは、本当に致命的に大問題だと思う。英語当たり前、中国語、フランス語出来る人もザラにいる。美術館によく行くような家庭で育っていて文化レベルが高い人も多く、仕事もテキパキ、見る目もあって、営業力があり品もある。そんな人材がギャラリースタッフには多い。違う業種なら遥かに給料が高いだろう。好きだから、やってくれてるのだ。
本当はもっと給料を上げて尊重しなくてはならない。
それと若い作家を筆頭に、もう本当に作品安い。安い方が買いやすいとか、謙虚にしないと、、とかそんな事ない。本当は逆だ。
高くても、買う人は買う。別に無名でも芸大やメガギャラリーに所属してなくても、通りすがりでも、気に入ったら買う人はいる。今は昔と違い、肩書きやキャリアで見たりする人は、思ったより少ない。自分の感性で買うし売れる時代になってる。勿論金額には限度はあるし、立地も少しは影響あるかもだけど、よっぽど良い作品である必要はあるけど、そんなの当たり前だし、普通に堂々と高価なモノをちゃんと見合った価格で、一点一点、お金も掛けて丁寧に見せていく。それでちゃんと買ってくれる人がいる。
でもそれが出来ないのは、一番アートのチカラを信じるべき人が信じれていないからだ。
とある、まだ無名の小さな町の小さなギャラリーに入ってそう思った。彼女のギャラリーは、プレスも打たない、広告も打たない、SNSもやらない、アートフェアも出さない。看板もない。ただただ、商店街を歩く人が偶々気になって入ってくるのを待つスタイルだ。
それでも、全く無名に近い23歳の青年の個展をやり、小さな作品を一枚300万円で売っていく。僕が偶然寄った時には完売間近だった。
凄いのは、近所の人を大事にしたいので余り人呼びなどは、したくない、店が有名になる事も。購入希望者が変な客だったのでこの前は、購入を断る事もあったとはにかみながら喋るのは、若干27歳のギャラリスト。
たった1人で勢いだけでこの店を開いたという。
儲かるかるより、町を背伸びしてお洒落して歩きたくなる憧れの商店街にしたい。
そう語る。
モノを売るとはどういう事なのか。アートを販売購入するとはどういう事なのか。
奇しくもアートのチカラを信じれているのは、どこにでも居そうな普通の若者なのかもしれない。