死んでしまいたい

幸せな日があるのにふとそう思う瞬間がある

死にたくてたまらなくて

私の名前を呼ぶ男の声
それが彼なのかあの人なのか
わからない

丁寧に私を触る腕
彼の温もりがホンモノなのか偽りなのかわからなくて

時々知らない温もりが欲しくなる
知らないから詮索したり
余計なことを考えずに済む

好きだよ
彼は言ってくれるけど
いつか彼はきっと私から離れる
今までの男と同じ

過去の記憶を浮かべては消す
きっと彼はいつかいなくなる
だからね今だけ

時折危ない道を通りたくなる
恋人じゃない男の人の腕の中で
彼を思う夜も悪くなかった
そんな夜を幾度も過ごして
身に付けた術


死にたい夜があるのに
死にたくない朝が来る

彼の腕の中で死にたい
死にたい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?