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ゆっくり朗読 「羞恥する猿」2015年12月27日

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記録

12月27日
工事現場でボロボロの猿たちと暮らしている。彼らはボロボロでどこか皮膚が裂けていたりして痛々しい。彼らはリンゴを拾って食べるがリンゴを落としてしまうと体が固まる。羞恥心らしい。そのせいで死ぬ猿がたくさんいる。今も老いた猿が死んだ。人間たちは出来るだけ殺さないようにするがそれにも限度がある。それに人間から見えないことも多いのだ。また猿がリンゴを落とした。私は何故か猿をかばってちまう。車が止まった。迷惑そうな顔と放っておけよという顔。腐った猿を引っ張って対岸へと行く。

訂正、最後に助けたのは猿ではなく腐った狼。金の毛皮が腐肉で黒く汚れた狼だった。それだけ何故か助けようとした。庇って運ぶ途中何度も轢かれそうになった。途中で他の狼も手伝ってくれた。それでも金の狼は死にそうだった。

詩「羞恥する猿」

12月27日
私は工事現場で猿たちと暮らしている。
ここは猿を保護する施設だ。猿たちは皆ボロボロでどこが皮膚が剥げていたりして痛々しい。
猿たちは工事現場にそこら中に落ちているリンゴを拾って食べて生きている。
この猿たちが保護されている理由は、猿たちはリンゴを落としてしまうと硬直してしまうからだ。
硬直する時間は5分の時もあれば24時間の時もある。
理由は羞恥心だと言われている。恥ずかしくなって固まってしまうとそのまま動けなくなるのだ。
そして、そのまま捕食されたり車に轢かれて死んでしまう。
今も老いた猿が車に轢かれて死んだ。
飼育員は出来るだけ死なないように気を配っているが、限界があるようだ。
人間が猿を安全な場所に移動させる前に死んでしまう。
また一匹の猿がリンゴを落とした。

道路に目をやると、黒い狼が道を渡ろうとしていた。
道路は交通量が多く何台もの車が行きかっている、
このままだと猿の様に轢かれて死んでしまうだろう。
私は何故か狼を庇ってしまう。
車は急停車したが、運転手が迷惑そうな顔をして舌打ちをして去っていった。ほっとけよという言葉が聞こえた気がした。
何事もなく轢き殺してしまいたかったのだろう。
狼はよく見ると元は金色の毛皮で、腐肉で汚れて黒くなっているようだ。狼を抱えていきたかったが重くて持ち上がらない、身体が腐っていて無理に持ち上げると崩れてしまう。
何とか立たせて一緒に対岸へ向かう。
何台もの車が止まってクラクションを鳴らしている。
急いでいる人たちにとって私たちは迷惑なのだろう。
わざと真横を猛スピードで通って罵声を浴びせる車もいた。
途中で何匹かの若い狼が私たちを助けてくれた。
やっと対岸について危険はなくなったが、この狼はもう死にそうだ。

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