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SDM振り返り、災害支援関連のボランティアで雑誌掲載

【ボランティア】【雑誌掲載】【SDM】【災害支援】
 
半年ほど災害支援関連のボランティアチームに参加しておりまして、コロナの前にいったんの山を越えたところです。

先日、1学年後輩の皆さんが日吉で学位記を受け取られたとのことなので、懐かしい気持ちがよみがえりました。それとともに、私は修了後にSDMのスキルを活かせたのかどうかを振り返りたくなり、ボランティア活動を通して思い出せることを書いてみます。
 
ボランティア活動の参加の理由は、以下の3点です。

1.
大学院で身に付けたシステムデザイン・マネジメントのスキルを会社外のソーシャルワーキングでもすぐに活かしたい

2.
修論の研究がインタラクティブ空間の安全にまつわることだったので、災害現場における安全について感性工学の視点で見識を深めたい

3.
自分の実家が被災したときのことを考えてのプラクティス
 
 
今回の活動は「災害支援のノウハウを可視化する」という取り組みの一環で、プロジェクトのステークホルダーは、会社関係者+自社CSR部門+2つのNPO法人様というもの。
2つのNPO法人様は、企業と全国各所のNPO法人をマッチングしコーディネートする仲介&進行管理の役割をして下さるところと、全国に点在する災害支援団体を災害前後にネットワークして支援をコーデイネートするところと…、昔の私だったらこの時点で「ネットワーク組織×ネットワーク組織とか広がりが大きくて複雑でわからない!」と、うろたえるところでしたが、CVCAとWCAとあれとこれとそれなどのツールを使って「関係できるバウンダリーはここまでで、自分の役割と位置はここ」とサっと俯瞰できました。

→大学院の先生方、ありがとうございます! ツールがすぐ使えました!
 
 
活動の着地は、「被災地コーディネーターを養成する研修資料の作成」でした。
被災地のボランティアセンターには主婦の人から重機を使える人まであらゆる一般ボランティアが駆けつけるので、被災地コーディネーターは、そこで人をどこにどう振り分けるかなどの采配をとるリーダー的な役割が担えます。そのため、経験やナレッジをより多く持っていた方が良いわけです。
今回は、『発災直後から、被災した住宅を再建し生活を復旧するまで』にフォーカスし、時間軸に沿って廃棄から物資供給などのステージ分けを行い、全国から集まるボランティアが被災地で活動できる分野を6つに分類し、現地の被災地コーディネーターを介して効果的にそれぞれのステージで作業できるよう、現地のナレッジをまとめた資料を組み立てて行きました。
ベースがあるわけではないので、上記のようにはまとめましたが、元々は真っ白なPPTからチームメンバーで話し合ってスタートしています。

→ライフサイクルステージやコンテキスト分析や因果ループなどを活用(一部は資料には不掲載)。システム思考寄り。
→イノベーションを起こす新しい手法の創出は、今回は不必要
  
 
ナレッジまとめ資料の元になる情報は、各省庁からの公的な情報と、市町村のHPに残されている災害毎の発令の痕跡、出どころの確かな新聞報道、現地で活動中の方ヘノインタビューなどで、その膨大な文書や書き起こしの中から必要な情報を選り分けて作っていくというもので、6名のチームメンバーで手分けをしました。

→夜遅くまで続くタフなグループワークは日吉で慣れたものでした。
→しつこい調査をして、きちんとした出典ありのファクト情報を探す作業が、修論執筆のおかげで苦ではなかったです。
 
 
活動中に台風などでステークホルダーの一ヶ所と連絡が付きにくくなり(災害支援で現場に行かれるため)、スケジュールが遅れていきました。
ですが、PMPで習ったリスク・資源・統合などの内容を思い出し、プロセスのフローの歪みは直せる範囲で直して進めていきました。
→この機会にPMBOK読み直しましたが、やっぱ日本じゃこうはできないよね、というアメリカの教本と日本の現場との違いを実感することは改めて良い学びでした。(わたくしPMの追試組)
 
 
以上、ざっくりですが、大なり小なりSDMでの学びを活かせている実感があります。

 
 
また、3月に「ビッグイシュー」という雑誌で、この活動内容が掲載されました。3.11に合わせて災害特集だったんですね。
この雑誌自体も、路上生活者の生活支援につなげるために路上販売のシステムを採用しているとのこと。社会をより良くするための「システム×システム」が色々な場所にあることを実感する日々です。
 
来年度も、学びを活かして会社と社会の両方に役に立てることを増やしたいと思っております。
 
※新しい号が出たので、この雑誌はもう路上で売っておりません。バックナンバーあり

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