2023.1.27 新型コロナウイルス対策分科会・基本的対処方針分科会
2023.1.27日の午前中に感染症部会が開催されて、新型コロナウイルス感染症は5類に分類すべきという判断を示しました。午後からそれを受けて新型コロナウイルス対策分科会と基本的対処方針分科会が合同開催されました。本日の私の発言内容です。
基本的対処方針の変更に賛成ですが、本日の感染症部会の文章の趣旨をどこかに入れていただきたいと思います。その上で質問があります。
資料3の基本的対処方針の4ページに、「2022年7月から8月までに診断された人においては、重症化する人の割合は50 歳代以下で0.01%、60 歳代以上で0.69%、死亡する人の割合は、50 歳代以下で0.00%、60 歳代以上で0.59%となっており、重症化する割合や死亡する割合は以前と比べ低下している。」という文章が追加され、「新型コロナウイルス感染症は、季節性インフルエンザにかかった場合に比して、60 歳代以上では致死率が相当程度高く、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある。」という文章が削除されたことは、今までの私たちの本分科会での要望が入れられたものと評価しております。
資料5−1にあるように本日の感染症部会では、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症法に基づく私権制限に見合った「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がある状態とは考えられないことから、新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとし、5類感染症に位置づけるべきである。」と判断されています。そして、「位置づけの変更は、私権制限を解除するものであるため、速やかに行うことが望ましいが、変更に伴う各種対策の転換は、国民ひとりひとりの生活や、各企業や医療機関の取組、地方行政に大きな影響を及ぼすこととなるため、今後3か月程度の準備期間を置いた上で行うべきである。」としています。新型コロナウイルス感染症が特措法の対象から外れるのは3ヶ月後であると理解しました。
新型コロナウイルス感染症を特措法の対象とする期間を今後3ヶ月維持することは、移行に時間がかかる特措法項目がいくつか存在するので理解できます。しかし、特措法のうち全ての項目において移行に時間がかかるとは思えません。例えば、感染者以外の行動制限の規定を変更することに時間はかからないと考えられますので、変更を先延ばしにする必要は必ずしもないと思います。
感染症部会のとりまとめにも「マスクを含む基本的な感染対策については、行政が一律に適用すべきルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重すべき。個人の判断に委ねることを基本とし、今では過剰とも言える感染対策はできる限り早期に見直しを行いつつ、新型コロナの特性を踏まえ、有効な方法について、引き続き丁寧に情報発信し、国民の理解と協力を得られるようにすべき。」とされています。この文言を基本的対処方針にも盛り込み、それに従って変更を進めるべきではないでしょうか。
実際、今回、イベントの収容人数の制限を撤廃したことは感染者以外の行動制限をやめるという点で即座にできるものだと理解できます。しかしながら、感染者以外についてのマスク着用などの感染対策にも同様に移行に時間が必要であるとは必ずしも言えません。こういった移行に時間のかからない項目について基本的対処方針で定める根拠はあるでしょうか。病気の特性が感染者以外の行動制限をするほどではないと感染症部会で決定されているという状況で、そのような行動規制を基本的対処方針で残す法的根拠はあるのか教えてください。