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2月25日の新型コロナウイルス感染症分科会での発言

2月25日に新型コロナウイルス感染症分科会が開催されました。議事録が公開されるまでに時間がかかりますので、私の発言内容を公開します。

議事は、公開されている配布資料にあるとおり、
(1)これまでの感染動向を踏まえた今後の対応の考え方について
・これまでの経験で得られたこと
・第6波対策の考え方と課題
(2)ワクチンと検査を活用した新たな行動制限緩和のあり方について
でした。私は第6波対策の考え方とワクチン検査パッケージについて、つぎのような発言をしました。

第6波の対策の考え方と課題について

第6波の対策については、感染力が非常に強いけれど、高齢者、基礎疾患などリスクが高い人以外には重症化リスクが低いことを前提に対策をとる必要があると思います。感染拡大を抑えることはかなり難しいと考えるべきです。感染を抑えるために、行動制限をするべきと考えられるほど重症化リスクが高いかどうかをあらためて検討すべき時期にきていると思います。ワクチン接種も進み、治療薬も出てきています。リスクが高い人へのワクチン接種の推進とそうした人の行動規制を中心にすべきです。

もう一点、アドバイザリーボードでの資料の提出がありましたが、濃厚接触者の追跡に効果があまりないのであれば、濃厚接触者の追跡と行動規制を行う必要がないと思います。それに関わる人材、時間をリスクの高い人への対策に使うべきだと思います。

ワクチン検査パッケージについて

私は重点化措置を継続する必要性がないと思っています。そのため、早く重点化措置を解除すべきで、重点化措置を前提にしたワクチン検査パッケージも必要ないと思っています。

その上で、コメントさせていただきます。ワクチン検査パッケージについては、感染予防効果はオミクロン株については一時的にしかないという状況です。重症化予防効果が中心ということであれば、ワクチン検査パッケージでは大きな感染拡大抑制効果を期待することはできないことになります。もともと重症化リスクが小さい人にとっては影響がありません。

そうすると、資料6の4ページの(2)今後の行動制限の内容とVTPの適用範囲のイベントのところに記してあるように感染防止安全計画の策定程度にすること、重症化リスクが高い人については特にワクチンを接種していない場合は行動を控えるように呼びかける程度のことしかできないのではないかと思います。飲食、イベントの制限をするよりは、重症化リスクが高い人、その周囲にいる人のワクチン接種率を高め、行動を抑制することが重要だと思います。

オミクロン株はワクチンを接種しても感染拡大するほど感染力が高いけれど、ワクチン接種によって重症化を防げるという認識を共通にするしかありません。オミクロン株の特徴を踏まえると、大阪府で呼びかけているようにリスクが高い人の行動を制限することに集中する方が望ましいはずです。その方が社会的合意を得られるのではないかと思います。感染リスクの高い行動をとった人は、その後、重症化リスクが高い人に会うことを数日間控えるか、検査をしてから会うということを呼びかける程度ではないでしょうか。ワクチン接種をすすめる環境を政府が設定することができれば、あとは重症化リスクの高い人の自己判断になると思います。

オミクロン株については、政府が大多数の人々の行動規制をする合理的根拠はほとんどないと思います。また、ワクチン接種証明の民間での自発的な利用の環境をつくることと、今後の変異株に対応するために、スマホの接種証明アプリを更新していくことは必要だと思います。


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