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Wリーグ2023-24シーズンを終えて 「シンカ」が問われた今季 次のステージへ


想像の遥か上を超えてくる試合の多いこと。



放送席で何度声を失いそうになったか
分かりません。
数々のビッグプレー、オーバータイム、
熱戦につぐ熱戦を経て
Wリーグは25回目のシーズンが終了しました。


今季はさらにレベルアップしたWリーグの
試合を間近でみさせていただいたと
感じています。

開幕やプレーオフの会見をはじめ
今年もさまざまな現場でお世話になり
ありがとうございました。

オータムカップの実況から始まり
皇后杯、SUPERGAMESなどもありました。
レギュラーシーズンは26試合、
プレーオフ9試合。
 今季も放送席に座らせていただきました。
(数え間違えていたらごめんなさい!)
セミファイナル、ファイナルはGAME3まで
もつれ込む熱戦と今季もまた歴史に残る
記念すべき25回目の大会だったと感じています。



タイトルの「シンカ」には2つの意味を込めました。

1つめは「進化」
選手ひとりひとりの個性がさらに光った
シーズンだったと思います。
プレーはもちろんのこと、その表現方法や
魅せ方、など個人個人の注目度も
上がったように感じた1年でした。

また、どこが勝つか分からない、といった
状況がここ数年で1番多かったのも
チームの進化、リーグとしての進化
パワーアップ、ではないでしょうか。
最終週までレギュラーシーズンの順位が
決まらなかったように、今季はさらに
順位争いが激しさを増しました。
上位チームも1勝1敗が並ぶなど
プレーオフも予測不可能。
その理由のひとつとして選手の皆さんを含む
多くの方は移籍が活発化したことを
あげられます。
もちろんそれも要因だと思いますが
私としては全体のレベルアップも
大きな理由だと感じました。
Wリーグ全体のステージがひとつ
またさらに上がったような感覚を
沢山の現場で体感しました。


もうひとつは「真価」です。
真価とは本当の値打ち、という意味ですが
まさにそれが問われるシーズンだったのでは
ないでしょうか。
国内最高峰の女子バスケットボールWリーグ。
記念すべき節目の年でもあり
パリオリンピックへの戦いも待つ中で
今季はスタートしました。
昨年の夏、男子日本代表が
沖縄で行われたW杯で、ひと足先に
パリオリンピック出場を決めました。
スラムダンクの映画化も伴って
日本中が「バスケットボール」に沸いた夏。
秋のWリーグ開幕時、女子代表はまだ
パリオリンピックへの出場は決まっておらず
今年2月に予選、OQTが行われました。
こちらも3試合、実況を担当させて
いただきましたが手に汗握る試合を制し
自力で掴んだパリへの切符。
日の丸を背負った選手たちが鎬を削る
このWリーグこそ「真」の日本の
女子バスケットボールなのだと
確信したシーズンにもなりました。




今季の実況はスケジュールがイレギュラーで
ひとり喋りの試合も多かったのですが
行ったことのないアリーナに沢山
お伺いできたのも印象深い出来事です。
現場でしか感じられないものは
私自身の経験以上に宝だと思っています。
また、ひとり喋りや準備の分
試合や選手に向き合い
視聴者の皆さんのことを想う時間も
長かったのかもしれないと感じています。


今年も各地方で、その会場ならではの
熱に触れることができ
さまざまな解説さんたちとのお話から
勉強させていただくばかりでした。

現場の皆様、関係者の皆様に
心から感謝したいです。



実は今季は画面上に表示される選手
おひとりおひとりの1stコメントの作成も
担当させていただいております。
これまでも大会やプレーオフで
担当することはあったのですが
レギュラーシーズンを通しての
コメント作成は貴重な経験でした。
その選手ならではの特徴・良さ・魅力を
文字数制限の中でまとめるのは難しいですが
どうやったら最大限に伝わるのか
そう考える時間も、尊く幸せに思っています。




さて、今季の締めくくりは
誠に僭越ながら、放送席で感じた
船岡的アワードもしくはアウォードの
発表をさせていただきます。
放送席ならではの目線も
感じていただけたら嬉しいです。


・新天地で輝いたで賞

近年移籍が活発化し、
新天地で輝きをみせてくれる選手
新たな可能性を発揮する選手が
非常に増えてきました。
今季の中からはENEOS→富士通の
林咲希選手を挙げたいと思います。
町田−篠崎のホットラインならぬ
町田−林のホットライン誕生か?と
大変楽しみにしておりましたが
その想像を遥かに超えてくれました。
さすがは日本を代表するシューター、主将
体育館に住む練習の鬼。
その思いをさらに強くしたのはファイナルGAME3
木林稚栄さん、吉田亜沙美選手の解説でした。
これまで同様、リバウンドに必ず飛び込むことや
ルーズボールを追う泥臭さは変わらない。
変わらないうえにまたさらに選択肢を増やして、
ハンドラーとなり多彩なアシストをし
3Pが封じられれば自ら切れ込む。
お二人が声を揃えて
「こんなプレーができるようになったんだね」と
思わず声が漏れるほど。
それはおそらく林選手自身が新天地で覚悟を決め
目指してきたものだと思うのです。



・縁の下の力持ち賞

指揮官が代わった後のチーム作りは
とてもとても大変なことだと思います。
出場が減ってしまう選手もいるでしょうし
新しいコーチの考え方を吸収し
チーム内でまずアジャストしないといけない。
1年でチームが完成するのは難しい
でも「勝利」が求められる世界では
そんなことは言ってられない。
トヨタ紡織サンシャインラビッツは
ルーカスヘッドコーチのもと
新体制がスタートしましたが
トヨタ自動車時代に共にプレーしていた
河村美幸選手の存在は
どんなにか心強かったと思います。
献身的なプレーでチームを支える
キャプテンですが、今季はおそらく
目に見えないところでも紡織の
柱であったことと思います。



・大いなる飛躍賞

エースとしての責任、もしくは
覚悟を見せてくれた野口さくら選手。

こちらのnoteにも残しましたが

日の丸も背負った今シーズン。
移籍1年目ながらアイシンのエースとして
その想いをひしひしと感じた今季でした。



・吠えて吠えて吠えたで賞

タイトルからも皆さんお分かりの通り
馬瓜エブリン選手です。
どんなに苦しかろうと負けていようと
終了のブザーがなるその瞬間まで
闘志を燃やすことをやめず
ハドルを組み声をかけ
自らを鼓舞するように雄叫びをあげ
会場をデンソーの色に染めてくれました。
3Pを沈めたあと、バスカンを決めたあとの
その「吠え」までもが1つのセット
1つのプレーでした。
(リプレーでも必ず吠えセットだったはずです)


・カメラマンさんもっとアップください賞

今季多く実況をさせていただいたチームのひとつが
トヨタ自動車アンテロープスさんでした。
放送席でも2試合連続オーバータイムを
経験させていただきました。
そのなかでひとつ気付いたことがあります。
ある選手の気迫がチームを引っ張り
その闘志漲るパッションが
チームを勝利に導いていることに。
「カメラマンさん、ひとつお願いがあります。
こちらの選手の表情もっと寄ってくださいますか?」
と、幾度となくお願いしました。
その瞳から沸る熱は
何人たりとも寄せ付けないパワーがありました。
安間志織選手です。




私事ながら、今季のファイナルの会場に
母が来てくれました。
一緒に試合を観に行くことも多いですし
配信はいつも観てくれているのですが
実況現場に来てくれるのははじめて。

ミニバスを始めた頃から
中学・高校とずっと応援に来てくれました。
2度の前十字靭帯断裂の手術には必ず付き添い
入院中は毎日お見舞いに来てくれて
何年もの間、往復3時間かけてリハビリに
連れて行ってくれました。

本当に沢山のことをしてもらったのに
大学生の時にはもう
コートに立つことができなくなり
申し訳なさでいっぱいだったのですが
立場は違えど、大好きなバスケットボールに
携わることができている姿を
見てもらえて嬉しかったです。



沢山の人たちに支えられての今がある。
それは私も同じなのだと。
チームの分だけ、選手の分だけ
もちろんスタッフさんも
携わる人たちの分だけ、沢山の想いがある。
それをこれからも忘れずにいたいと思いました。


今季もありがとうございました。
また会場で、画面越しに、
お会いできる日を楽しみにしております。


これまでに出逢ったすべての人に
心から愛と感謝を込めて。



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