オオキツネノカミソリが咲く季節 『井原山』
井原山。福岡県糸島市に位置し、背振山系で2番目に高い山(983m)です。7月中旬から8月初旬にかけてオオキツネノカミソリという花が咲きます。
このシーズンの井原山はかなり混み合うそう。本来なら平日にちょろっと行ければ良かったのですが、梅雨明けのタイミングや大学の授業日程、開花時期を総合的に判断すると土曜日(実際に登山をした8月1日)しかなく、日の出前に家を出発するプランに決定。怠惰によって昼夜逆転した老体(22)に鞭を打ち、22時には就寝を試みますが案の定眠れず、これで二丈岳、英彦山に続く2カ月ぶり3度目の無睡登山に出かけます。
車は持っていないので自転車にて17km先の水無登山口へ向かいます。えげつないほどの坂道が10kmほど続き、途中で朝日が登り始めます。この時点で自転車できてしまったことどころか、登山に向かっている事実そのものを後悔し始めます。4時半に家を発ち、登山口に着いたのは7時を過ぎてからでした。
井原山には2つの登山口があり、水無登山口から登り始めるとすぐオオキツネノカミソリたちがお出迎えしてくれます。もう一つの瑞梅寺登山口からのことは知りません。オオキツネたちはこれで髭を剃るのでしょうか。
登山口からすぐのところではまだまばらなオオキツネノカミソリでしたが、15分も登れば群生地に入ります。この辺りでおじさまと遭遇し、最終的には山頂でのご飯、さらに下山までともにしました。話してみると家が近所だったようで、ここまで自転車で来たと話すと若干引き気味でした。
おじさまと楽しく猿岩石やらTWICEやらの話をしているうちにある程度の高度に達したのか花は一切なくなり、その後もひたすらに登り続けること1時間程度、983mの山頂に到着です。自分はお昼は下山後に食べようと思い、ハイチュウとプチクマしか持ち合わせていなかったのですが、おじさまがせっかくだからと手作りおにぎりと卵焼きを分けてくださいました。ありがたい限り。
糸島の山々、海だけでなく福岡市内、遠くには有明海まで望める絶景です。ここでおじさまの傍、「人知れずこの時期にしか咲かない花を見るためだけに、夜も明けぬうちから自転車を漕ぎ続け、膝がプルプルになりながらもやっとの思いで踏みしめたこの山頂の地に吹く風を感じちゃってるオレ」に酔います。
その後全く同じ行程を踏み、プルプルの右膝とともに降り1時間半+17km自転車の道のりを帰りました。翌日、家の階段すら座りながら下ったのは言うまでもありません。
もう今年のオオキツネノカミソリシーズンは終わりですが、素敵な山ですのでぜひ登ってみてはいかがでしょうか。
Camera: SONYα7Ⅲ, Voigtländer Vito B
Lens: Voigtländer Nokton 40mm F1.2 Aspherical, Viltrox 20mm F1.8
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