ビビカ

*日本語教師はじめました *ビジネスシーンでぶつかる外国人社員とのコミュニケーションス…

ビビカ

*日本語教師はじめました *ビジネスシーンでぶつかる外国人社員とのコミュニケーションストレス軽減のお手伝い *本と書店、美味しいものが何よりもすき!

マガジン

  • 日本語教師の私から、外国人と働くあなたへ

    外国人の同僚や部下とのコミュニケーションに毎日悩まされている会社員である私が、日本語教師としての活動もスタートしました。 言葉の壁を越えて、「コミュニケーションのストレスをちょっとだけ軽くする」コツを考えていきます。

最近の記事

叱られてるときの顔って国によって違うらしい:日本語教師の私から、外国人と働くあなたへ

仕事でミスをして叱られているとき、注意されているとき、あなたはいつもどんな顔をしていますか? 私だったら、叱られている内容やその状況にもよりますが、たぶんできるだけ真面目そうな顔、神妙な顔…目に力を入れて、でも絶対にらんでいる感じにならないように気を付けて、口角はあげすぎず下げすぎず、相手の話に適度に頷いたり聞いていることを伝えながら静かにする…今想像して描写してみるとこんな感じかなと思います。 だいたい表情って、どの国でも同じだと思っていました。ジェスチャーは国や文化に

    • 多文化な職場を救うのは「やさしい日本語」かも:日本語教師の私から、外国人と働くあなたへ

      「やさしい日本語」が必要なわけ 職場に日本語以外を母語とする社員がいる場合、コミュニケーションの悩みは尽きません。そんな状況で数ある悩みの一つに、「コミュニケーション、日本語だけで十分なのか?問題」があると思うのですが、皆さんの職場も同じでしょうか? 私の職場では、基本的なコミュニケーションは日本語で行われていますが、重要なお知らせについては社員の母語に翻訳した資料が用意される場合があります。これ、一見丁寧な対応ではあるのですが、実際には翻訳する手間が結構かかるし、様々

      • 難しい日本語がわかる=簡単な日本語もわかる、ではない

        タイトルを見て、「???」と思った方もいるのではないでしょうか。 基本的にすべてのものは基礎があり、その上に応用があるものです。誰もが学んだことのある外国語といえば英語だと思いますが、まずはアルファベットを学び、「pen」や「apple」などの簡単な単語を学び、be動詞などの基礎的な文法を学び…まずは日常会話ができるようになってから、必要に応じてより高度なビジネス英語を学んでいく…こういった流れで勉強する人がほとんどでしょう。 英語で簡単な道案内はできないけれど、自社製品につ

        • 日本語教師の資格を取ったので、会社員と先生の二足の草鞋を履いてみる

          外国籍の社員とうまくコミュニケーションがとれない!!!!!! これ、結構悩んでいる人は多いのではないでしょうか。私も実際、日本語教師としての活動をすると同時に、外国人の同僚や部下とのコミュニケーションに悩む会社員です。 そんな悩める会社員である私が、実際に教えてみたことで見えてきた「コミュニケーションのストレスを少しだけ軽くする」コツは実はいろいろとあるのです。 「日本語教師」と聞くと、「外国人に日本語を教える先生」とだけイメージされると思いますが、実は、「外国人との関係に

        叱られてるときの顔って国によって違うらしい:日本語教師の私から、外国人と働くあなたへ

        • 多文化な職場を救うのは「やさしい日本語」かも:日本語教師の私から、外国人と働くあなたへ

        • 難しい日本語がわかる=簡単な日本語もわかる、ではない

        • 日本語教師の資格を取ったので、会社員と先生の二足の草鞋を履いてみる

        マガジン

        • 日本語教師の私から、外国人と働くあなたへ
          4本

        記事

          欠けているから惹かれてしまう(欠落があるからこそ面白い小説3作品)

          電車内や飲食店内では通話をしないのがマナー、というのが大多数の人の認識だと思うのだが、同時に、これに疑問を感じたことのある方もいるのではないだろうか。 飲食店でも電車内でも、一緒にいる人と会話をするのはマナー違反ではないのに、電話をしたらいけないのはなぜ?そりゃ、ぎゅうぎゅうの満員電車で自分の隣に立っている人が電話していたらめちゃくちゃ嫌だと思うけれど、そうでもない電車では、声のボリュームに気を付ければそんなに迷惑でもないのでは? 最近その理由を聞いたのだが、一説としては

          欠けているから惹かれてしまう(欠落があるからこそ面白い小説3作品)

          マッチングアプリの亡霊(ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン』)

          2年ほど、マッチングアプリにはまっている時期があった。友人から勧められて始めたのだが、最終的には利用したことのあるマッチングアプリは5種類ほどにまで及び、1日で2人とのデートをはしごする、なんてこともあった。仲の良い友人たちの中で、マッチングアプリのプロを名乗り、彼らにもマッチングアプリを勧め、私に言われたことをきっかけにマッチングアプリを始めた人もいる。 そんなマッチングアプリの(自称)プロであった私だが、当然たくさんの人にあっていると何だか様子のおかしな人にも巡り合って

          マッチングアプリの亡霊(ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン』)

          ずっと前に貸した本が帰ってきた(仲山進也『組織にいながら、自由に働く。』)

          1年半以上前に貸した本が、先日私の手元に帰ってきた。「返ってきた」ではなく、「帰ってきた」とあえて書きたい。 もともと本を貸すのは好きで、貸すときには「推理小説の序盤で犯人の名前に丸をつけるようなことをしなければ、書き込みをしても付箋を貼ってもいいよ、汚れても気にしないよ」というスタンスで貸している(実際に書き込みや付箋つきで返ってきたことは今のところないけれど)。最終的にちゃんと返してくれるのなら又貸しも問題ない。 実際に又貸しされることはほとんどないのだけれど、冒頭で

          ずっと前に貸した本が帰ってきた(仲山進也『組織にいながら、自由に働く。』)

          どうして勉強しないといけないんですか(左巻健男『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』)

          「どうして勉強しないといけないんですか」 もし私が子どもに聞かれたら何て答えたらいいんだろうと、私は別に教師でも親でもないしそんなこと聞かれる予定は全くないのに、ときどき考える。 勉強はもちろんした方がいいと思っているけれど、高校時代は「現代文と古文と英語は5、でも数学と化学と物理は2」なんていう成績を取り続けた超ど文系の私でも人並みに就職をして人並みの給料をもらい、幸せな人生を送っている。恋人はこの話を聞いて「2なんてそうそう取れるものじゃないよ……」と呆れていたけれど

          どうして勉強しないといけないんですか(左巻健男『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』)

          ハンドクリームが欲しくて本を買った(櫻井とりお『虹いろ図書館のへびおとこ』)

          子供のころから、物語の世界に行けたらどんなに素敵だろうとずっと思っていた。 ぐりとぐらと一緒にカステラを作って食べたいし、ぐるんぱの幼稚園で大きなビスケットを食べたいし、ナルニアに行ってアスランのたてがみに触れてみたい。しゃばけの世界で可愛らしい妖怪たちと話してみたい。物語に没頭すればするほど、「その世界に住んでみたい」と思うものではないだろうか。 最近、私を含むそんな本の虫たちにとって嬉しい商品を見つけてしまった。 その名も、「本を読むときのハンドクリーム」。

          ハンドクリームが欲しくて本を買った(櫻井とりお『虹いろ図書館のへびおとこ』)

          手紙を書くとその先1週間が幸せ

          祖母に手紙を書くのが好きだ。 このところは昨今の情勢もあり旅行はできないけれど、旅先からは必ず祖母に葉書を書くし、それ以外で気が向いたときには便箋3~4枚ほどの手紙を書く。 祖母は、親ばかだ。 孫に対するときでも親ばかと言って間違いないのだろうか。婆ばか? どちらでも良いけれど、祖母は私についてなんでも褒めてくれる。(余談に過ぎるが、昔一緒に温泉に行ったとき脱衣所で「あら!あなたは若いし体が綺麗で素敵ね、ビーナスみたいね!!」と大きな声で褒めてくれたのはさすがに恥ずか

          手紙を書くとその先1週間が幸せ

          28歳、今さら高校生活から学ぶ(古賀史健『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』)

          数か月前、無事28歳になった。 つまり、高校を卒業してから9年と少しが経ったということになる。よく会う友人の多くがその当時からの付き合いということもあり、未だに自分たちが高校生だったころの話をする機会は多いし、まだ卒業してから5年くらいの気持ちでいた。実はその倍近く経っているというのに。 私が通った学校は中高一貫の私立校で、少し、いや結構変わった教育を実践している学校だった。机上の学びではなく、生活に即した実践的な学びを行うことを目的としており、だからこそ味わえた経験は数

          28歳、今さら高校生活から学ぶ(古賀史健『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』)

          役に立つ読書、役に立たない読書(松樟太郎『究極の文字を求めて』)

          「週末は、くだらない本なんですが、益田ミリという人のエッセイを読んでいました」 同僚の言葉に、私は衝撃と怒りを覚えた。私は益田ミリさんのエッセイが大好きだし、なにより、くだらないってなんだ。じゃあくだらなくない本ってなんなんだ。普段どんな高尚な本を読んでるんだ。 私の職場では、上司の大変迷惑な思いつき(おっと失礼、上司がこの記事を見つけませんように)により、毎週の定例会議で各人が何か話す、ということになっている。 テーマは何でも良いので、最近はまっていることについて話す

          役に立つ読書、役に立たない読書(松樟太郎『究極の文字を求めて』)

          私の人生を変えた本なんてない

          私の人生を変えた本について話したいと思う。 どこで、誰に対する質問だったのか忘れてしまったが、最近「あなたの人生を変えた本は何ですか」という内容の短いインタビューを読んだ。その人は確か、カラマーゾフの兄弟だったか罪と罰だったかを挙げていた気がする。私はただただ「すごいなあ」と思った。 何がすごいのかというと、私には本を読んでその内容に感動して価値観が変わったとか、人生の方向性が変わったとか、そういう経験が無いからだ。我ながら不思議ではある。幼稚園のころから友達が園庭で遊ん

          私の人生を変えた本なんてない

          家で静かにミャンマー料理をつくる、これが今の私の祈り(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』)

          1年前までミャンマーにいた知り合いから、チェッウーヒン(卵をスパイスで煮込んだ料理。チェッウーは鶏卵、ヒンはミャンマー語テキストではだいたいカレーと訳されている)の作り方を教わったので、作った。 みじん切りの玉ねぎを炒めたら、ターメリックパウダー、パプリカパウダー、チリパウダーを加えてさらに炒め、ナンプラーと塩で味をつけ、好みで唐辛子も入れたら水を入れ、ゆで卵も入れて煮込んで煮込んで…… できあがり。 教えてもらったのは卵を8個使うレシピだったけれど、二人暮らしではそん

          家で静かにミャンマー料理をつくる、これが今の私の祈り(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』)

          おばけが怖くて一人暮らしできない私も楽しめるホラー2選

          昔から超のつく怖がりで、自分で紹介するのもどうかとは思うものの怖がりエピソードはたくさんある。 私とホラーの出会いは、あの有名な絵本『ねないこだれだ』だと思うのだが、当時の私はおばけが怖いあまりその恐怖をやわらげようと、「あの絵本は大人が子どもを寝かせるためにかいたもので、私はちゃんと夜寝ているしおばけなんて来ない」と自分に言い聞かせた。結果、いつの間にか「悪いことをするとおばけが来る」に認識がすり変わってしまい、大人になっても時々悪いことをするとおばけの存在が頭をよぎって

          おばけが怖くて一人暮らしできない私も楽しめるホラー2選

          死について考えることと冷たい記憶(益田ミリ『永遠のおでかけ』)

          益田ミリさんのエッセイが好きで、書店で見かけるとつい買ってしまう。旅の本を読めば私が今までに体験した旅のことを思い出すし、そうでない文章を読めば過去に私が言葉にできなかった感情をぴたりと言い表してくれている気がして一人でうんうんと頷く。挿絵もかわいい。 『永遠のおでかけ』を買ったのも、たまたま近所の書店で見かけたからだった。益田ミリさんの本がある、と思って、少しだけ帯を眺めて、そのまま買った。 益田ミリさんのお父さんが亡くなる前のこと、亡くなった後のこと。お父さんが亡くな

          死について考えることと冷たい記憶(益田ミリ『永遠のおでかけ』)