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 最近になって増えたのだが、眠っている時に見る夢の中で過去に付き合いを持っていた人が頻繁に出るようになった。特に大学の時期を過ごした友達や恩師、今でも付き合いのある人も含まれるのだが、今はもう会う事は勿論、連絡を取る事も無くなった人たち。

 私が大学を卒業したのが09年の春。つまり、就職活動中は内定が決まりやすい世代であり、とりあえず適当に受けておけば3社ぐらいは内定を貰えるような時代であった。尤も私はその年の段階で音楽家を目指していた事もあり、ロクな就職活動をしていなかった。性格的に新卒で入社をした所で、私はきっとどこかのタイミングで仕事を辞めていたでしょう。

 一方で、この時期はリーマンショックが発生した事で、内定が取り消しになる事案が多発していた。これはニュースにもなった話なので私の代はかなり人生を振り回されたという方も多いのではないだろうか?

 そんな状況だからか、結構進路が決まっていない人、進路がぐちゃぐちゃになってしまった人、留年してしまった人等、奇麗な卒業を迎える事が出来なかった人が多かった。今何をやっているのだろうか?と思う事がある。

 とはいえあれから15年。社会人としてはだいぶ長い期間が過ぎており、中堅も良い所な年齢である。随分と歳も取ってしまったし、青春も随分と遠くなってしまった。

 だからなのか、最近はその当時によく接していた人が夢に出てくるようになり、もう会わなくても良いかな?と思うような人まで夢に出てきた。

 残念ながら私も当時の付き合いのあった人の連絡先を全て保存している訳ではないので、もう連絡を取る事が出来ない人がちらほら存在する。しかし、その中に何だかんだこの歳になってもう一度会ってみたい人というのは居るし、今なら違った付き合いも出来た人だって居ただろうなと。そして、新卒間もない頃に嫌いになって連絡を取るのをやめた人も、今なら大人として接する事が出来るのかな?と思う事もある。

 しかし、当時通っていた大学へ行ってもその人はもうそこには居ない訳で、ただ思い出がよみがえるだけである。

 こういうセンチな気持ちになってしまう性格だからこそ、たまに割り切る事に一切の躊躇いのない情の薄い人を羨ましく思う事がある。

 これを人を大事に思う気持ちを持っていると取るか、それとも未練がましい性格だと取るかで話は変わってくる。

 まあ、再会することはきっとないだろう。そもそも会ってみたいとこちらが思っても、相手はきっと会ってみたいと特別願わないだろう。嫌っている訳ではないが、少なくとも今日まで私が居なくてもその人の世界は成立していたのだから。まあ、願っていたとしてもどのみち連絡の取る手段が無ければ叶わぬ話なのだが。

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