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実力

 最近すっかりコンペに作品を出さなくなってしまい、作曲家としての仕事もだいぶご無沙汰である。コンペの話はまた何処かで書こうと思うが、ハッキリ言ってコンペは嫌いである。

 しかし、作曲を辞めた訳ではなく、趣味でも仕事でも続けており、最近はジングルの作曲も行っている。つまり、ジャンルが変わったと言える。歌物はほとんど作らなくなったが、Lo-Fiサウンドやジングルを作るようになっている。

 そんな中、去年の最後の方に歌物を作った。というのも、作り直したい曲があって、今の「太一の夜のティータイム」のエンディング曲がそれだ。その曲は実を言うと高校時代にはメロディーが出来ており、専門学生時代に一度音源化した。しかし、私の実力が全然伴っておらず、作詞もその当時は自分で書いたものではなかった。

 そんな楽曲を捨てる事が出来ず、何とか形にしたいと思い、20年以上の時を経て音源化にこぎつけた。

 元々ピアノオケ一本の楽曲だったので、それで終わるつもりだったのだが、何を思ったのかバンドアレンジを作りたくなって、ボーカルデータが手に入ってから1週間ぐらいでアレンジを終えてバンドアレンジバージョンの制作をした。これが実は個人的に気に入っており、アレンジも久々に納得の行く形にもなったし、ミックスも久々に納得の行く仕上がりになった。残念なのはあくまで「リミックス」なので、このアレンジの為に歌われた訳ではなく、コーラスも元ボーカルから私が生成したものである。

 これを実は専門時代の同期に聴いてもらったのだが、その時の感想が「コンペに出せばいいのにもったいない」というお言葉だ。

 この同期はジャンルは違うが、卒業後からずっと音楽の仕事でフリーランスを続けてきた、フリーランスの大先輩である。

 コンペがすっかり嫌いになった私だが、何だかんだコンペに出せるレベルの音源を作る事が出来るようになっていると言っていいだろう。

 今となっては同期でフリーランスの音楽家を続けているのはその方ぐらいで、その生き残りがコンペに出せるという事で、少しだけやる気が湧いた。

 私が音楽家としての活動を再開させた時に一緒に立ち上げた事務所。そこのコンペをずっと蹴り続けていたのだが、どこか経済的に何とか余裕が出てきたらまたコンペに出てみるのも悪くないのかなと思い始めている。勿論毎回やってられないし、今はラジオの仕事も始めているので。そして、そこの社長と少し揉めている状況なので、それも併せて解決しながら久々にコンペにちょっと参加してみようかなと思っている。

 ちなみに、専門時代の友達からもしかしたらコンぺを振られるかもしれないので、もしコンペの誘いが来たら頑張って音源を作ってみようかなと思っている。

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