仕事が出来ない時は出来ない

 私は接客の仕事をやっていた頃は、欠勤や早退をした事が無い。決して健康な訳ではなく、実際に頭痛は月に数回発生するのは当たり前だし、ロキソニンから離れる事がなかなか出来ずに居る。そして、それは今の仕事になっても変わらない。そもそも頭痛持ちなので、これは一生変える事は出来そうにない。しかし、接客に関しては欠勤や早退に至る所まで体調が悪化せずにやって来れた。

 勿論風邪気味になった時期もあるし、辛い場面もあって、我慢していた訳ではなく、それでも単純に耐え抜ける程度の体調にとどまってくれていただけの話である。

 フロント業務をずっとやる訳ではないので、どうしても声が出ない時は外回りの仕事をやって対応する事も出来たし、逆にあまり動き回りにくい時は、フロント業務を優先に行う事で分業が出来ていた。だからこそ、欠勤や早退をせずに業務を行う事が出来た。

 今の仕事はテレマーケティングであり、基本的に電話をずっと掛け続ける仕事を多く行っている。勿論音楽の仕事も行っているのだが、業務量的には営業の仕事の方が現状は多い。

 最近私は風邪を引いていた。引き始めぐらいの状態で済んでいたのだが、鼻水がやはりいつもと違い、喉まで落ちてきてしまう痰に近い絡み方をしてきた。喉にまで影響が出てしまうと発声に影響が出てきてしまい、声を出そうにも発声しにくい状態となり、通話を中心とした業務となると、まともな業務を行う事が出来ないのである。

 今までの接客の仕事であればフロント業務を行うにしても、会話は少ない時間で済む為、鼻と喉を封鎖されていてもオペレートの完了程度の時間であれば対応が可能であった。そして外回りであれば、声が出なくても無関係なので業務を行う事が出来ていた。しかし、今回は電話を常に掛ける形となる為、トークの妨げになるコンディションで業務を行う事は、かなりのストレスが発生してくる。そもそも満足に業務を行える状況ではないし、呼吸も満足に出来ない為、頭痛にもつながり兼ねない状況となってしまった。

 こうなってくると、メンタル的には元気でも、業務を行えないとなると話が変わってくる。無理をして業務を行い、頭痛が併発して次の日も辛い状況で仕事をするのはデメリットも良い所である。

 結果、私は今まで欠勤や早退を10年近くやった事はないのだが、今回久々に早退をするに至ったのである。

 体調というのは何も熱や風邪だけではなく、そもそも元気な状態でも必ずしも労働条件を満たせるとは限らないという事を学んだ。例えば花粉症アレルギーを持っている人だと、この仕事はかなり地獄ではないだろうか?幾ら元気だとしても、業務の遂行条件を満たしていなければ、仕事にならないのだから。

 そんな状況になって、本気で辞めたいと思っていた接客の仕事に、少しだけメリットを感じてしまった。まあ、だからと言って退職の取り消しをするつもりはないのだが(これに関してはそもそも人生観の話になる為、割愛する)。

 早くもフリーランスとしての仕事のデメリットを感じてしまった一方で、今の仕事を業務委託で請け負う事を決めた時点で、音楽一本でフリーランスとして活動するのではなく、複数の仕事を担うタイプのフリーランスへ舵を切った理由も再認識した。

 こういう働きたくても、労働条件を満たせない状態になったその時に、別の仕事を行える状況というのは、フリーランスにとって生命線となる。そもそも論として病欠になっても何とかなる程度の蓄えを作れる仕事をやれば?と言われればそれまでなのだが、考え方は人それぞれだ。勿論一つの仕事で色々賄えるのであればきっとそれが一番楽なのだろうが、活動休止期間が必ずしも蓄えで補える範囲で収まるとは限らない訳で、これに関しては正社員だろうがバイトだろうが、そして勿論フリーランスでも関係なく、無収入になる条件を満たせば、収入はストップしてしまう。

 音楽の仕事を続けたい気持ちと同時に、そもそもその収入減が途絶える状況をリスクと考えた時に、兼業型のフリーランスであれば0から50程度の被害に抑える事が出来る働き方にメリットを感じたからこそ、私は兼業型のフリーランスへ進むことを選んだ。

 結果として、音楽の仕事が丁度控えていた為、喉が使えない期間は音楽の仕事を行っていたのだが、必ずしも音楽の仕事が毎回ある訳ではないので、やはりあともう一つぐらい、スケジュールの都合で行う業務を変えられる状況を作りたいと思うようになった。

 もし、フリーランスを目指したいと思っている人は、一つの仕事だけではなく、兼業型のフリーランスを目指してみる事を勧めたい。覚えなきゃならない業務、習得すべきスキルを増やさなければならなくなるが、収入が途絶える事を恐れている人は一考の価値があると思う。特に業務委託でも時給で報酬を計算して出してくれる委託主も居るので、考え方や視点を変えてみると、フリーランスになるハードルは言うほど高くはなくなってくる。勿論条件に見合う仕事を探さなければならないし、仕事を行っていても求人情報やクラウド系のサービスから離れられなくなるが、まあフリーランスってそもそも論としてずっと同じ人と取引をする訳ではないので、これも考え方の違いである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?