見出し画像

新人

 今日は新入社員の入社日らしい。大人達がエイプリルフールだとか言いながらくだらない嘘をSNSで発信している間、新人の社会人は入社式に出席していたようだ。エイプリルフールだからと気合を入れて嘘なんてつく必要なんてない。何故ならこれからの社会、誰かに嘘をつき、自分をだましながら日々を過ごしていくのに、わざわざエイプリルフールを意識して嘘をつく必要なんてなくなるからだ。

 と、これは申し訳ないが今でも思う事で、如何に私が社会に揉まれてひねくれてしまったのか分かる発言である。本当に申し訳ないが、エイプリルフールにこの歳にもなってまだ気合を入れて嘘をついてるような人は、本当にロクなやつは居ない。そんな大人とはそっと距離を置くんだぞ。

 さて、悪ふざけはこの辺にして、今回は新社会人に向けた話でも書こうと思う。

 新社会人にとって社会人デビューが今日という人が多いと思う。これからの未来を見据えて頑張ろうと意気込む人、やる気がなくて辛い人、既に今日で退職届を出しちゃった人。色々な人が今日という日を迎えたと思う。甘い言葉を言うつもりはないが、力は早めに抜いたほうが良い。大体人間ダメになる時というのは、己のキャパシティを超えてしまう時で、キャパシティは人によって大きく変わる。蓄積量も活動時間や習慣で変わってしまう。根性気合が通るのはあくまで土壇場の勝負をかけなければならない時だけで、常時発動は不可能だ。必ずツケが回って体調不良なら御の字。休職退職は当たり前だし、最悪命を落とす事だってある。根性気合が通る限界はせいぜい30代手前までだ。そこからは容赦なく体がノーを突き付ける。

 だからと言って無理をしてはいけないとも言わないし、勝負をしなければならない場面は生きているうちは必ず訪れる。その時までは無理せず自分のペースで生きてほしい。

 ただし、キャパシティを上げられるのも若いうちだ。一生その会社に居るひとも、そうじゃない人も社会人経験で得られるものは、その仕事の業務内容だけではない。仕事のやり方、考え方、サボり方、世渡り、生きていく為に必要な事も学べる。ただ漠然と仕事をするだけなのか、何らかの学びを得る努力が出来るかで今後の選択肢が変わっていく事は確かだ。

 5月になれば一旦仕事が落ち着くという人は多いだろう。大体この時期に退職を考える人が増えてしまう。キャパオーバーを起こしている人が大半だから当然と言えば当然だ。とりあえず3年は古い考えだが、とりあえず1か月よりは確実に3年居た方が良い事は確かだ。

 しかし、それを見極める事が出来るかどうかと言えば、残念ながら経験値不足で本人だけで出す答えは確実に「ノー」以外の選択しか出せないだろう。一番辛いのは本人だから、業務の辛さで退職を選ぶ根拠しか見えなくなるだろう。

 本当であれば入社前の会社見学会やインターンで職場体験をしていると、自分に適している仕事かどうかの判断を下すことが出来たし、最悪入社前研修で判断する事も出来ただろう。だが、入社してからだともう進むか辞めるかの2択しかない。これも人生。それでも自分一人で決断をするだけの力はない。絶対一人の意見だけを聞くのはやめておこう。

 これはブラックなんかではなく、社会人として絶対に乗り越えなければならない試練をブラックだとかパワハラだとか考えている可能性も十分にある。というより、パワハラモラハラと言い張るほぼ100%の人が、己の権利を主張する暴君であり、既にがんばっているスタッフに対してハラスメントを行う要因となっているから。

 ハラスメント云々言い出したくなった時に一旦考えてみてほしい。貴方はあくまでもその会社へ仕事しに来ており、給料を頂きに来ている立場である。そしてそこで一緒に働いているスタッフも会社へ仕事に来ており、給料を頂きに来ている人だと言う事を忘れないでほしい。その中のやりとりで、業務に必要なことなのか、また己の主張は通していいものなのか、通す事によって仕事の妨げになっていないかぐらいは考えよう。己の都合だけをずけずけと言ってしまうと、「不適切にもほどがある」のようなマタハラ女になってしまい、本来仕事を進める為に頑張る人を不幸にしてしまうから。その判断が出来ないようなら厳しい意見だが、さっさと黙って会社を去った方が良い。そこにあなたの居場所はない。居場所は与えられるものではなく、自分で探して構築するものだという事を忘れてはならない。これは別に社会人となる前の、学生時代からずっと続いている理だ。

 ここまでわりと辛辣な事を書いてしまったが、大丈夫。そうは言っても何とかなるのが世の中だ。少なくとも私は今こうしてフリーランスとして仕事をしているし、組織に属さず生きている。何ならここ数日は完全にまた夜型の生活に戻っているし、夜型の心地よさを体感している次第である。だが、こいう生き方が出来るのは少なくとも社会人として組織に所属していた事もあるし、役職も経験した事があるからこそ、スキルそのものが例え全く役にたたなくても、考えて動くという事だけは出来るようになった。しかしその考えて動くというのが、どんなに学力があっても、東大レベルの大学を出ていても、出来るかどうかはその人次第だ。逆に言えば、これは中卒レベルのバカで考えて動くというスキルさえ身に着ける事が出来れば生きていけるという意味にもなる。

 辛くなった時こそ考えよう。そして相談をしよう。これだけ書いたが何も正解は一つではないのだから。まずはその会社で学べる事を学んでからさらに上を目指してもいいし、転職をしてもいいし、一旦休んで自分探しに出てもいいだろう。何なら私のようにフリーランスで且つ夜型生活を送るのも悪くない。但し夜型生活は残念ながら今の世の中はまだまだ生きづらい世界なのでお勧めはしないが、自分がどうしても夜型じゃないと生きていけないというのであれば、仕事を作る事は出来ない事もない。夜型のメリットの理解と朝方のメリットを手放す覚悟があれば、間違いなく朝の活動よりも快適に生活が出来るので、一考する価値はあるかもしれない。

 とりあえず今日から毎日社会に揉まれるといい。この雑踏の中で生きる者によって、日本は成り立っており、今日まで生きてきたのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?