北

　掛け持ちフリーランスから、本格的なフリーランスになって2か月ぐらい。報酬は何度か貰った事はあるものの、堂々とフリーランスを名乗れるようになってからの報酬は初めてとなる。まあ、親族の葬儀系のイベントにより、初月の請け負える仕事に制限が掛かってしまった事と、そもそも何も考えないようにする為の休みを作っていた事もあり、報酬額は一応１０万以上は手に入れたものの、そこからちょっと入る程度の額にとどまった。誰がどう見てもそうだ。そもそも普通の社会人に比べ、半分ぐらいしか請け負う事が出来なかったのだから、そりゃ低いに決まっている。想定の範囲内とはいえ、やはりスタートダッシュを失敗してしまった感が否めない。仕方なのない事ではあったのだが。

　それでも南を振り返る頻度は少しは減り、将来的な不安もだいぶ少なくなった。今後の仕事の量をどうしようとか、どんな仕事をやろうとか、そういう悩みはまだ持っているが、それはフリーランスとして開拓をしていけばいい事を学んだので、今はどうでもいい。というより、解決してはまた壁にぶち当たりと、繰り返す事がオチだとわかっているので、不安になるよりどう対応するかに悩んだ方がマシである。

　踏み出す事は勇気が居る事。でも、必要なのは勇気じゃなくて準備。真っすぐに進めないのであれば、回り道を探せばいい。橋が無ければ作ればいい。達成条件は必ずしも一つとは限らない。私は回り道もしたし、違う選択も取ったけど、本当にやりたい事も残しつつ、本当にやりたい仕事の為に、フリーランスとして色々な仕事を請け負う道を選んだ。

　また、掛け持ちの仕事がバイトだった為、正社員とは違い働いただけ稼げるという働き方だった。それもあって、雇用契約がアルバイトと業務委託の違いとしては給与か報酬かの違いぐらいしかなく、最初から正社員としてのメリットなんて持ち合わせていなかった為、フリーランスという選択に対するハードルは低かった。

　結果的に私は現時点ではフリーランスになって良かったと自覚している。