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夏が似合うねなんて言うな
愛も変わらず、相変わらず、夏になろうとすると杞憂が襲ってくる。
夏に生まれたみたいな子と言われて24年。残念ながら、夏は嫌いだ。大好きなじいちゃんが死んだのも夏で、お前はいらないと言い放たれたのも夏だった。
暑くて、しつこくて、臭い。
ご飯は喉を通らないし、アイスしか食べれないし、汗なんてかきたくもない。
でも、海は好きだし、花火もしたい、川に行って後先考えずにダイブしたい。スイカは好きだし、かき氷に目はないし、夏に吸うタバコなんて悪くないとも思ってしまう。
何よりも、街を歩くと、男女問わず肌を徐ろに出してくる。冬に蓄えた何かを解き放つように薄めの布を纏った彼ら、彼女ら、夏のせいで少しくらい狂っても大丈夫と言わんばかりの。
その雰囲気は好きだ。
私もそれに感化され、太めの足を周りを気にせずに出してしまう。
夏のせいだ。
夏のせいだ。
夏のせいだ。
今年は海に行きたい。
今年も海に行きたい。
今年こそは海に行きたい。
綺麗な体を持っていたら下着よりも過激な水着を人前に晒していたのだが、生憎私はそんなもの持っていない。
日差しが苦手だ。
海へ行っても日陰で波を聞くだけでいい。
今年は日焼けをしたい。
今年こそは日焼けをしたい。
してみたい。だけで、本当は自分の白い肌が好きだ。
高校生の時は、白い肌が嫌いだった。
弱そうに見えるから。試合相手に舐められるから。サボっていると思われるから。
日焼け止めなんて塗らずに過ごしていても一向に小麦色になることはなかった。
洗濯物が早く乾くのはありがたい。ありがとな夏。
また今年も引きこもって本を読む。そんな夏になりそうだから、連れ出して欲しい。