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どうせなら神隠し


Tシャツの隙間から抜ける風が妙に悲しい夏と秋の狭間。吐く息よりも冷たくて吸う息よりも鋭い、その季節に悲しくなるのは私だけで十分でしょうか。

果てしなく続く夜は底がなくて、自分の影を追う事に恐怖を覚えて、他人の影ばかり見つめてしまう。

生を受けた瞬間から死に向かって狂ったように走って走って走って走って走って。

いつか死ぬのかもしれないと生きるよりも、いつでもかかってこいと死にタイマンを張って生きた方が楽だ。

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