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スタミナ源

 人間とは車と同じである。車の本文は、持ち主を乗せて目的地へ導くこと。その距離が何百、何千キロであろうとそこに一切の妥協はない。そのエネルギー源となっているものはガソリンだ。

 人間の本文は何だろうか。それは、この世に生を受けてから、天に召されるその瞬間まで絶えず心臓を動かし続けることだ。と言っても、心臓を動かし続けることは最低限である。その上に、教育を受け、労働をし、家族を作り、自分の子どもを育てあげる。ザッと挙げただけでもこれだけの役割が人間にはある。

 では、人間がこれらの役割を果たす上で欠かせないものは。それは、車同様エネルギーだ。人間が自らの意思、身体を動かすにはそれ相応のエネルギーが必要だ。

 もっともレースはその最たる例であるだろう。お互いが同じぐらいのエネルギーが求められる。この時のエネルギーは、精神、肉体とで別である。レースの際には両方のエネルギーが満タンであることが求められる。(満タンであるが故に、レース時間が短縮されてしまう場合もあるが。)

 そのエネルギーは若いうちは相当なものだ。車であるならばリッター1000キロほどはあるかもしれない。これほど燃費のよい車はない。しかし、歳とともに、特に肉体の燃費は低下する。精神のエネルギーは変わらない。むしろ、人生経験を重ねることで、よりパワフルになることもあろう。それでも、肉体の燃費は低下する。ガソリンメーターの針が、なかなか立ち上がらなくなってしまう。

 人はその時、ありとあらゆる手を尽くす。薬を飲んでみたり、内転筋を鍛えてみたり。それでも避けられないのが老朽化というものだ。

 いや、むしろ老いてゆく、衰えてゆくからこその美しさが人間にはあるのだ。

 それでも、精神だけはたぎり続ける。人間の本能であるからこそ、死に近づけば近づくほどにたぎり続ける。このたぎる思いをどこにどのようにぶつけるのか。これは人間の永遠のテーマかもしれない。

 それでも、1つだけ決して忘れてはいけないことがある。「エロはマナー」だということだ。

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