
#35 こんな風に歳を重ねたいと思う憧れの人
こんにちは、上海在住のKumaです。
先日、アメリカ人夫の前の会社の同僚がデンマークから上海に出張に来ており、一緒に食事をする機会があった。
同僚とはいっても彼はもう今年の冬にはおじいちゃんになるくらいのベテランで、きっと我々夫婦に少しは美味しいものを食べさせてあげようと、毎回上海に来る度に夫が仕事を辞めた後も食事に誘ってくれる優しい方である。
彼は”コスパの良いお店”が大好きである。気取ったお店は苦手な我々夫婦の得意分野である。いつも新しい美味しいお店を見つけると「次彼が来たらここに連れてこなければ」とリストアップしておくのがお決まりである。
今回は、イタリア人シェフが営むイタリアンのお店に彼を連れて行った。「イタリアンはもっとみんなにカジュアルに食べてもらうべき!」という熱い信念のオーナーがやっているお店なので、カトラリーもいつでも店外に持ち出しができるよう紙皿で提供される。

それでいてピザや他の食事も最高に美味しいので夫婦のお気に入の場所である。もちろんデンマークの彼もとても気に入ってくれ、”Perfect dinner ! ”を連呼しながら楽しんでくれたのでよかった。
そんな彼は、私が「こんな風に歳を取りたい」と憧れる数少ない1人である。
とにかく歩く、時間をかける
彼は食事の場所を伝えると必ず歩いてお店までくる。それがたとえ30分以上かかる所だったとしてもだ。そしてお店までの道中で見つけた気になるお店や光景の話をしてくれるのがお決まりだ。
気付けばいつも約束の時間ギリギリまで支度や他事をし、タクシーや電車に飛び乗り、目的地までは地図アプリとにらめっこしながら早歩きをする生活をしている私からすると、そののんびり歩いて景色を味わいながらお店に到着する余裕や優雅さにとっても憧れてしまうのだ。
歳を重ねるごとに時間を使いこなし、余裕のある豊かな人生を歩みたいと彼を見ていつも思う。
美味しい食事は外で食べる
ピザを食べ終わった後、彼は言った「次は夏にまた上海に戻ってくるから、外で食事するところに行こう」と。
そう、彼は外で食事をするのが大好きなのだ。
日本にいた時、特に名古屋に住んでいた時は外で食事をするだなんて考えたこともなかった。冬は寒いし夏は暑いし蚊に刺されるし日焼けもするし。
上海に来て、夫やその友人、デンマークの彼に出会い、極寒の冬以外は隙あらば屋外で食事をすることが増えた。

数年前、上海のとあるワインハウスのような場所に行った。土砂降りの中でもデンマークの彼は屋外のパラソルの下でワインを楽しもうと言った時には笑ってしまった。「そこまでして外にいたいか!」と。
ただ私も最近ではその良さが分かってきた。特に夜風が気持ちよく感じる夏の夜や、太陽の暖かい日差しを感じられる春や秋の昼間など。
冷房や暖房に守られながら食事をするよりも、身体で風や太陽を感じ、道行く人を眺めながら友人と食事をする。そのほうが開放的で楽しいし、食事の時間がもっと豊かになると思うようになった。
仕事も大切だけど、家族がもっと大切
デンマークの彼は、奥さんと子供たちを心から愛し大切にしている。
最近50歳を過ぎて大学に通い直すことにした妻を「僕には学生の妻がいるんだよ」なんて嬉しそうに話す彼。毎年奥さんとは1ヵ月ほどの休みを取り海外に旅行に出かけている。出張で家を空けていることが多いから、その分旅行で一緒に過ごしたいんだとか。
今年はニュージーランドとオーストラリアに行くそうだ。なんて幸せな人生なんだろうか。
時間をかけて目的地までたどり着き、友人との食事を楽しみ、仕事にも励み、家族・夫婦の時間も楽しむ。そんな彼のような人生に少しでも近づきたいといつも彼の話をワクワクしながら耳を傾けるのである。
最後までお読み下さりありがとうございました♪