見出し画像

ブラボーミュージック【PS2 全タイトルレビュー】#277

発売日:2001年10月11日
ジャンル:音楽アクション
対応機種:PlayStation 2(PS2)、ゲームアーカイブス(PS3)
開発元:ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)
発売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)
プレイ人数:1人
メディア:CD-ROM
対象年齢:CERO A(全年齢対象)


ゲーム概要

『ブラボーミュージック』は、クラシック音楽を題材にした独特な音楽ゲームで、プレイヤーはオーケストラの指揮者となり、演奏を成功に導くことが目的です。PS2初期のタイトルとして発売され、従来の音楽ゲームとは一線を画す「指揮者体験」を提供しました。

合言葉は「茶の間にチャイコフスキー」。主人公「タクト」となり、少年オーケストラ「Bravoes」の指揮者として演奏を行い、観客を魅了していきます。


ストーリー

音楽の街「Bravoタウン」の象徴である音楽堂が取り壊されることになりました。しかし、音楽堂に住む妖精シンフォニーは、音楽の力で街の人々の心を取り戻そうと考え、指揮者タクトに協力を求めます。果たしてタクトは、音楽堂を救い、街に再び音楽の喜びをもたらすことができるのでしょうか?


ゲームシステム

指揮の基本ルール

本作は楽器を直接演奏するのではなく、指揮者としてオーケストラを導くことが目的です。画面には「キューポイント」と「キューボール」が表示され、タイミングよくボタンを押すことで演奏を成功に導きます。

  • テンポの指示:キューボールがキューポイントに重なったタイミングでボタンを押す。

  • 音の強弱

    • → 強く

    • → 普通

    • → 弱く

    • ボタンの押し方によって評価が変化。

  • パートの指示:矢印が表示された場合は、指定された方向キーとボタンを同時に押す。

演奏の評価は「テンションメーター」で表され、メーターが高ければ高評価。逆に低くなるとゲームオーバーとなります。


ゲームモード

ストーリーモード

指揮者タクトとなり、さまざまなステージをクリアしながら音楽堂を救うメインモード。高評価を維持すると、演奏中に別の曲へ移行する「メドレーモード」が発生し、新曲が解放されることもあります。

フリーモード(音楽堂)

クリアした楽曲を自由に演奏できるモード。テンションメーターがなく、気軽にプレイできます。

ファミリーモード

ボタンの強弱判定がなくなり、テンポのタイミングだけで演奏できる初心者向けモード。最初から全楽曲が解放されているため、好きな曲を気軽に楽しめます。


収録楽曲一覧(全34曲)

『ブラボーミュージック』では、誰もが聞いたことのあるクラシックの名曲が収録されています。

  • ブラームス:「ハンガリー舞曲 第5番」「ハンガリー舞曲 第6番」

  • モーツァルト:「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「フィガロの結婚」

  • チャイコフスキー:「白鳥の湖」「くるみ割り人形」より「マーチ」「トレパーク」「あし笛の踊り」

  • ホルスト:「組曲『惑星』より『火星』『木星』」

  • ムソルグスキー:「はげ山の一夜」「展覧会の絵」より「バーバ・ヤガーの小屋」

  • オッフェンバック:「天国と地獄 序曲」

  • ロッシーニ:「ウィリアム・テル序曲」

  • エルガー:「威風堂々」

  • ビゼー:「カルメン」より「闘牛士の歌」

他にも有名なクラシック曲が多数収録されています。


評価点

✅ 良い点

独自のシステム:楽器ではなく「指揮」をテーマにした斬新なゲーム性。
クラシック音楽ゲームの希少性:クラシック音楽を題材にした音楽ゲームは少なく、貴重な存在。
シンプルな操作性:音楽ゲーム初心者でも取っつきやすい。
ストーリーの面白さ:シリアスとコミカルがバランスよく盛り込まれ、飽きにくい。
ファミリーモード搭載:初心者や子供でも楽しめる親切設計。


問題点

❌ 改善点

ボタンの強弱判定がシビア:緑の中間強度が特に難しい。
画面の視認性:キューボールと背景の見づらさが問題になることも。
ロード時間:やや長めで、テンポを削がれる場面がある。
誤記載の楽曲:「おもちゃの交響曲」の作曲者が誤っている(レオポルド・モーツァルトではなくエトムント・アンゲラー)。


シリーズ作品

『ブラボーミュージック』は好評を博し、以下の続編が発売されました。

1. ブラボーミュージック クリスマスエディション(2001年11月22日)

✔ 12曲収録。
✔ クリスマス曲が中心の特別版。

2. ブラボーミュージック 超名曲盤(2002年1月17日)

✔ 12曲収録。
✔ 限定版には『オトスタツ』の体験版ディスクが付属。

3. Let's ブラボーミュージック(2002年12月12日)

✔ 44曲 + PlayStation BB Unitによるダウンロード曲36曲(サービス終了)。
✔ 2人プレイが可能な「COUPLE CONCERT」モード搭載。
✔ PS2専用指揮棒コントローラー「ザ・マエストロムジーク」に対応。


総評

『ブラボーミュージック』は、クラシック音楽を題材にした貴重な音楽ゲームであり、独自の指揮システムが特徴的です。初心者でも楽しめるシンプルな操作と、ストーリーの面白さが魅力ですが、強弱判定の難しさや視認性の問題が課題となります。シリーズ全体での評価も高く、特に『Let's ブラボーミュージック』は最も完成度が高い作品と言えるでしょう。

いいなと思ったら応援しよう!