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BASIC STUDIO パワフルゲーム工房【PS2 全タイトルレビュー】#177

  • ジャンル: プログラミングツール / エディターソフト

  • 発売日: 2001年4月19日

  • 対応機種: PlayStation 2

  • 開発・販売: アートディンク


概要

『BASIC STUDIO パワフルゲーム工房』は、アートディンクが2001年4月19日に発売したPlayStation 2向けのゲーム制作ソフトです。このソフトは、初心者にも扱いやすいプログラミング環境とゲーム制作ツールを提供し、自分のオリジナルゲームを作り出せることを目指しています。


特徴的なツール構成

  1. EZ-BASIC(イージーベーシック)
    シンプルなBASIC言語を使用したプログラム作成環境。ゲームのメインロジックを記述します。

  2. IMAGE SKECH(イメージスケッチ)
    ドット絵や2Dグラフィックを作成できるツール。キャラクターや背景のビジュアル素材を作るのに使用。

  3. POLY-CRAFT(ポリクラフト)
    簡易3Dモデリングツール。立体的なキャラクターやオブジェクトを制作可能。

  4. SCORE-NOTE(スコアノート)
    音楽作成ツール。効果音やBGMの制作が可能で、ゲームの演出を強化。

  5. B-SHELL(ビーシェル)
    ファイル管理やプログラムの実行をサポートするランチャー機能付きツール。

これらのツールが1つにまとまっており、ユーザーはソフト内で一貫して素材作成からゲーム構築までを行えます。


ディスク構成と実行環境

  • DISC 1: フル機能版。すべてのツールが含まれています。

  • DISC 2(PLAY DISC): プログラムの実行環境のみが収録されており、完成したゲームを動作確認するために使用します。

この2枚構成により、作成者とプレイヤーが分かれている場合でも効率的に利用できます。


サンプルゲームと素材

  • 収録例: アートディンクの代表作『カルネージハート』を題材にしたアクションゲームのサンプルプログラムが収録されています。

  • オリジナル素材: ソフト内で用意された素材を使い、ゼロから制作可能。ただし、外部素材を取り込む機能は公式には未対応です。


対応機器

  • USBキーボード: プログラムの記述やメニュー操作に使用可能。日本語入力も対応しています。

  • USBマウス: グラフィックやモデリングツールでの操作をサポート。ただし、ゲーム制作時に使用するデバイスとしては非対応。

  • popegg: PS2対応プリンターを用い、制作画面をプリントアウトできます。


教育的要素

『BASIC STUDIO パワフルゲーム工房』は、プログラミングの基礎を楽しく学べる内容として注目されました。特に初心者に向けた分かりやすいマニュアルやコミック形式の解説書『はじめよう! EZ-BASIC』の存在が、新規ユーザー層の取り込みに寄与しました。


評価

評価点

  • 初心者にも使いやすい環境設計。

  • プログラミングやゲーム制作に対する興味を引き出す教育的側面。

  • PS2という家庭用ゲーム機でゲーム制作が完結する点の利便性。

課題

  • 外部素材を取り込めない点が上級ユーザーには制約となる。

  • 3Dモデリングや音楽制作ツールが簡易的で、細かい調整が難しい。

  • 本格的なゲーム制作には機能が不足している場合もある。


総評

『BASIC STUDIO パワフルゲーム工房』は、ゲーム制作の敷居を下げ、多くのユーザーに「クリエイティブな体験」を提供する作品として評価されました。一方で、機能的な制限から本格的なゲーム制作には向かない部分もあり、プログラミングやゲームデザインの入門的な位置づけとされます。

このソフトは、プログラミングやクリエイティブな制作活動を楽しみたいユーザーにとって、家庭用ゲーム機での新しい挑戦を可能にしたユニークな存在です。

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