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物語のドラマ性を出すには?

物語を作成するときにドラマを効果的に起こせているか否かで、作者が狙った感動を与えられることも、与えられないこともある。
客観的な視点で自分の書いた物語や他人の書いた物語を読んだときに違和感を覚えたとき、ドラマ性が効果的に出せているかどうかを考えてみるのは物語をブラッシュアップする上での一つの指針になる。

この場合のドラマとは?

ここでのドラマの定義をハッキリさせておこう。
ドラマとは……
物語の中で起こる出来事やキャラクターの感情的な変化、葛藤、対立、成長などを通じて、読者や視聴者に感動や共感を引き起こす要素やプロセスのことをいう。
特に、ストーリーラインに沿って発展する緊張感やサスペンス、驚きといった要素が重要で、その配置によって感動できるかどうかがかわる。
効果的に配置されている場合はドラマ性が高いと定義できる。

ドラマ性の構成要素

1. 緊張感の構築
• 緊張感は、キャラクターが直面する危機や困難、解決が困難な状況から生まれる。これが読者に「どうなるのか?」という期待感を与える。
2. サスペンスの維持
• サスペンスは、情報を小出しにしたり、キャラクターの運命をあいまいにすることで維持される。これにより、読者は物語に引き込まれ続ける。
3. 驚きの要素
• 驚きの要素は、予期しない展開やキャラクターの意外な行動などから生まれる。これにより、物語の予測不可能性が高まり、読者に強い印象を与える。
4. 感動の創出
• これらの要素が効果的に組み合わさることで、キャラクターの成長や物語のクライマックスが感動的に描かれ、読者に深い感動を与える。

ドラマの効果について

ドラマの効果とは、物語の中で巧みに配置された伏線や布石が効果的に積み重なることによって、キャラクターの変化や物語の進展が起こった際に、読者や視聴者が深い感動や共感を得ることを指す。

ドラマの効果を与えるための要素

  1. 伏線と布石の配置

    • 伏線(foreshadowing)と布石(setup)は、物語の中で将来のイベントや展開に対するヒントや前触れを与える要素であり、これをいかに配置するかでドラマ性が変わる。

    • これらが自然に、かつ一貫性をもって配置されることで、後の展開が説得力を持ち、読者に「納得感」や「驚き」を提供することができる。

    • プロットを構成するときは狙っているイベントが起きたときに狙ったとおりの影響を読者やユーザーに与えられるために布石や伏線を効果的に配置する必要がある。

  2. キャラクターの変化

    • キャラクターの成長や変化は、物語のドラマ効果を高める重要な要素である。キャラクターの動機(物語上の欲求や動機)や背景(バックストーリー)が伏線や布石を通じて丁寧に描かれることで、彼らの行動や決断が感情的に納得できるものになる。

  3. 物語の進展

    • 物語の進展の中で起こるイベントや展開が効果的な伏線や布石によって支えられている場合、読者はそのイベントの発生を「唐突」と感じることなく、むしろ「必然」として受け入れる。そのことによって感動や驚きが生まれる。

    • これにより、物語がスムーズに進行し、読者が物語に没入しやすくなる。

  4. 感動と共感の創出

    • 効果的なドラマは、読者や視聴者に強い感動や共感を与える。伏線や布石が結実する瞬間に、読者はキャラクターや物語の深さを実感し、その瞬間の感動が増幅される。

逆にドラマ効果のない作品の特徴

  1. 伏線や布石の欠如

    • 伏線や布石が欠如していると、物語の展開が唐突に感じられ、説得力に欠ける。

      • たとえば登場人物が突然泣き出したり、怒り出したり、突然覚醒したりするが、なんでそうなったのかよくわからない場合など。

      • こういった場合は読者やユーザーは置いてけぼりになる。

      • たとえばバディもので、バディ関係が構築されておらず、2人の関係性が描けていないのに突然「相棒!」と呼び出したり。突然、何の前触れも無く身体を張って主人公を助けたり。

      • よく見るのが「作者の中ではつじつまが通っていて成立している」が、それが描かれていないので「伝わらない」というパターン。

    • そういった場合、読者は物語の流れに違和感を覚え、感情移入が困難になりる。

    • 唐突な展開によって、イベントやキャラクターの変化が起こったことにさえ気がつかないということもあり得る。

    • この場合、作者は感動できていても読者は感動できておらず、独りよがりなシナリオになってしまう。

    • ぶっちゃけ、声優さんの演技や絵、カメラ、BGMなどが着くことで、ドラマ的な効果が高まり、布石や伏線が不十分でも感動を呼べることはあるが、プロのライターならば脚本の時点でドラマ性が十分に高まるように構成をしておいた方が良い。その方が演出による効果も爆増する。

  2. キャラクターの行動の非合理性

    • キャラクターの行動や変化に一貫性がなく、動機が不明瞭だと、読者はそのキャラクターに共感しにくくなる。

      • キャラクターが「何をしたい人」で「今何をしようとしているのか」など、動機や葛藤などは読者やユーザーに十分わかるようにしておこう。

      • ただし説明台詞を増やさずシーンやアクションで見せていくことが大事だ。

    • キャラクターの行動動機が伝わるように展開やアクションなどを使い、効果的に描くことが重要。

  3. 物語の展開の不自然さ

    • 物語の展開が伏線や布石なしに進行すると、イベントが唐突に感じられ、物語全体の一貫性が失われる。

まとめ

物語のドラマ性は、読者に感動を与えるかどうかの鍵を握る。
緊張感やサスペンス、驚きの要素が効果的に配置されることで、キャラクターの成長や物語の進展が自然に感じられ、深い感動を生む。
伏線や布石が巧みに配置されていることが重要で、これが欠如していると物語は唐突に感じられ、キャラクターの行動も非合理的に映ってしまう。
プロのライターは脚本段階でドラマ性を十分に高めることが求められる。
これにより、物語がより魅力的になり、読者の心を強く動かすことができる。


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