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バーレスク東京に行きました⑥

ステージがあって、長机があって座席という場所で予想以上にど迫力だった。こんな席常連しか取らないだろうなぁ。そりゃスタッフも「はじめてですか」とか聞かないよな。

硬めのクリアファイルとハイボールを長机に置いて、座席を引いて着席した。やっぱり近い。
巨大なLEDモニターにはお正月を祝う文字が踊っている。カレンダーは大きいので置き場所に迷った。

他のお客さんはどうやって置いているのか確認するため周りを見回すと、各々カバンの中に入れていたり、輪ゴムで巻いて地面に立てていた。

大きなカバンを持ってきてなかったので、僕は輪ゴムで巻いて足元に立てておくことにした。

包む前にどんな絵柄なのか確認してみるとメンバー2人が裸で、乳首といった場所を鏡餅や花びらなどで隠しているといったものだった。女体盛をコンセプトとしているらしい。
(あとで調べてみると公式ECサイトで画像データを1万円で販売しているようだった。)

すごいものを渡されたと僕はものすごい勢いでそのカレンダーを絵柄を内側にして輪ゴムで巻いて足元に置いた。

家族と同居している僕はこのカレンダーをどうしようか考えながらハイボールに口をつけた。
予想以上の濃さに顔をしかめた。

店内のBGMが少し上がってステージ下手からふんどし姿の男性がマイクを持って現れた。
ステージDJのようだ。

そのステージDJはお正月のお祝いの言葉やバーレスク東京での注意事項をステージにあがっている先程みたふんどし姿のメンバーの女性たちと一緒に紹介していた。

その間に手持ち無沙汰になっているメンバーたちが各テーブルを回って話をしていた。

50代くらいの男性は白髪頭を振り乱しながら、メンバーと肩を組んで談笑していたり、一眼レフですごい低い体勢でステージ上にいるメンバーを撮っている30代くらいの男性もいた。何を撮っているのかはすぐにわかったがここでは語らぬ。

周りをキョロキョロしていると、ステージ上からメンバーの女性が手を上げながら話しかけてきた。

「いらっしゃいませ!」
「、、、はい。ありがとうございます。」
ここでも人見知りが炸裂。
「?もしかしてはじめて?」
「そうなんです。。。席が近すぎて緊張してます。。。」
ステージ上のメンバーは爆笑していた。
「それは大変だね!じゃあ挨拶どうやるか教えるね!」

そういうと指でハートの形を作って、僕の手元に近づけてきたので、僕も慣れない指ハートを作って、指同士をそのメンバーと重ねた。

なんともナウでヤングな挨拶だ。
しかしコロナ禍が続く日本では、相手との接触面が少なくてすむので、安全の面でもいいのかもしれない。

それから何人かメンバーがやってきては指ハートをして挨拶をしていると、照明が消えた。
ようやく始まるようだ。

次回 最終回 つづく

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