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#80_ビジネスと人権-リオ・ティントによる遺跡爆破

リオ・ティントと聞くと、私は、BHPビリトンとの間の鉄鉱石に関するJV設立が独占禁止法の域外適用によって制限されたケースを連想しますが、最近、思わぬ文脈でその名前を目にしました。

今年の5月、リオ・ティントは、西オーストラリア州政府の許可のもと、同州のピルバラ地区の鉱区拡張工事を行っていた際に、Juukan Gorge(ジューカン・ゴージ)と呼ばれる洞窟遺跡で、ダイナマイトを使用した爆破を行ったそうです。

その洞窟の起源は、4万年以上前にさかのぼるそうで、オーストラリアの先住民であるアボリジニにとっては神聖なものであったとのこと。

この点に関しては、同社のHPにも特設ページが作られています。

しばらく前から、「ビジネスと人権」というテーマは次第に影響力を増してきているように思います。「人権デューディリジェンス」という言葉も聞かれるようになり、企業においても、サプライチェーンのそれぞれにおいて、人権を無視した企業活動(たとえば、子どもを長時間劣悪な環境の工場で働かせたりとか)がなされていないかモニタリングすることが求められるようになりました。

このリオ・ティントの件も、このような広い意味での人権、経済の論理でとらえきれない、損益で測ることのできない、人間の尊厳という文脈でとらえるべきなのかと思います。

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