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#94_ラピュタを見て

先日、ひょんなことから、ジブリの名作『天空の城ラピュタ』を今さらながら通して見たのですが。

もう、涙腺がどうしようもなく…

出だし、シータが飛行船から落ちていく途中、飛行石の光がそれを優しく包むシーンでなぜかすでに感動し、以降、パズーのトランペットとか、親方が二人を逃がすために海賊と向き合うところとか、ドーラから二人が「飛行石もないお前たちをなんで船に乗せなければならない?」というようなことを聞かれたときにパズーが即座に「働きます!」と答えたところとかにやられまくり…

あ、当然ですが、「バルス!」のシーンはいうまでもありません。

しかし、その後のジブリ作品を見ても、ラピュタは特別な位置づけのような気がします。このあたりは語りだすと深みにはまりそうなので軽めにしたいと思いますが、「元気でまっすぐな少年による冒険活劇」という点でoriginalなのではないかと。

その他のジブリ作品における男子(少年)に比べ、パズーには、物語を自分自身で進行させる力があります。決して人任せにせず、まして運命に身をゆだねるということもありません。

それが端的に表れているのが、「バルス!」のシーンでしょう。パズーは何のためらいもなく、シータに、僕も一緒に言うから滅びの言葉を教えてほしい、と言います。

現代っ子なら、どうでしょう。「滅ぶ、というのは、悪が滅びることかな(だから、唱えてもだいじょうぶだよね)?」とか、「シータがいいなら、いいよ」「シータが王女だから、シータに決める権利がある」とか、ヘタしたら「僕が石を持ってきたから、シータが言って」とか言いかねません。

日々、ほっておくとつい頭で難しく考えがちですが、生きるために働き、腹いっぱい食べ、好きな人ができればその人を全力で守ろうとする、そういった身体の持つ単純さこそ、思い出すべきことなのだと感じました。

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